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地団駄は島根で踏め

.14 2019 読書 comment(0) trackback(0)
地団駄は島根で踏め
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このいかにも面白そうなタイトルに惹かれて読んでみました。
これが実に面白い。
著者わぐりたかしは放送作家ですが、
語源の現地に実際に行って関係者にインタビューをし
それを紀行エッセイとしてまとめたのがこの本です。

先日、大阪での中学校の同窓会の日に、四天王寺を訪ねたのは
⑥縁の下の力持ちを読んだからです。
この本を読んで私も行って見たいところがたくさんできました。
青い太字にした④⑩⑪⑰⑱㉒㉓です。
特に㉓地団駄を踏むは島根県のことでもありますし、
たたら製鉄の天秤ふいごは実際に足で踏んでみなくてはなりません。

本の内容を目次風に記すとつぎのとおりです。

① 急がば回れ 滋賀県草津市矢倉二丁目 姥が餅
② ごたごた 鎌倉建長寺 宋の禅僧兀庵(ごったん)、がたぴし=我他彼此、
      けんちん汁
③ らちがあかない 京都上賀茂神社のらち、5/5の競馬会(くらべうまえ)葵餅
④ ひとりずもう 愛媛県大三島町大山祇神社御田植祭、抜穂祭 神島饅頭
⑤ あこぎ 三重県津市阿漕 平治煎餅
⑥ 縁の下の力持ち 大阪府四天王寺 10/22聖霊院 椽の下の舞
⑦ つつがなく 山形県出羽三山神社 12/31験比べ、大松明引き 胡麻豆腐
⑧ あとの祭り 京都八坂神社の祇園祭7/17先の祭り7/24後の祭り
⑨ どろぼう 愛知県岡崎/美合 本宗寺/土呂八幡宮 木の芽田楽
⑩ 関の山 三重県関宿 7月下旬の夏祭りの関の山 銘菓関の戸
⑪ うやむや 秋田/山形 有耶無耶の関と関址 象潟のハタハタ寿司
⑫ あいづちを打つ 京都相槌稲荷神社と鍛冶神社 石清水八幡宮の走井餅
⑬ もとのもくあみ 奈良圓證寺
⑭ チンタラ 鹿児島県錦灘酒造 チンタラ蒸留機
⑮ ごり押し 石川県金沢 ごり=魚
⑯ お払い箱 三重県伊勢神宮
⑰ うだつが上がらない 徳島県美馬市脇町 うだつストリート
⑱ うんともすんとも 熊本県人吉 ウンスンカルタ
⑲ 火ぶたを切る 愛知県7月上旬 設楽原決戦場祭り
⑳ のろま 佐渡島 のろま人形
㉑ 大黒柱・醍醐味 奈良平城京跡 太極殿
㉒ 二の舞 静岡県遠州森駅 太田川の桜並木と茶畑 銘菓梅衣
㉓ 地団駄を踏む 島根県安来の和鋼博物館の天秤ふいご=地団駄、
  奥出雲町日刀保たたら、雲南市菅谷たたら 「竹葉」の仁多牛の牛丼

続編として次の本が出ていますが
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二番煎じで今ひとつ面白くはなかった。

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お釈迦さま以外はみんなバカ

.11 2019 読書 comment(0) trackback(0)
台風が去って猛暑が続きます。
外に出る気もしないのでエアコンをかけっぱなしにして
家で本を読んでいるのが一番です。

しかし、千葉県の方は停電でエアコンどころではない様子です。
今までは電柱方式のほうが埋設管方式よりコストも安いし、
停電した時に断線の個所を探しやすいし復旧も楽だと考えていたのですが
電柱方式が台風に弱いとなると、考え直す必要がありそうですね。

またまた高橋源一郎の本を読みました。
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「バカ」はもともと僧侶の隠語で、語源は
サンスクリットのモハー(痴の意味)に漢字「莫迦」を当てたもので、
「莫」は否定の意味であり、「迦」はもちろんお釈迦さまの「迦」である。
だから、悟りを開いたお釈迦さま以外はみなバカということになるのです。

高橋源一郎はいったいいこれだけ大量の本を読むのだろう
と思うくらい本を読んでいるようです。
そして人の本の内容を抜き書きしてはこういう本にまとめて
金を稼いでいます。
人のふんどしで相撲を取っているというのは言い過ぎでしょうか。
しかし彼がラジオで紹介した本は爆発的に売れるらしいのです。
かくいう私も影響を受けて読んでしまいます。
(図書館になければついつい買ってしまいます)


私のこのブログで「高橋源一郎」とインプットして検索をかけると
過去6回も読んだ本の記事が出て来ます。
哲学者とオオカミ
片桐はいりの随筆
NHK大好き人間
上橋菜穂子に嵌る
共感の文学
たのしみは・・・
いずれもNHKラジオ「すっぴん」の「源ちゃんの現代国語」のコーナーで
紹介された本を読んで書いたブログです。

この本の中で紹介されている本を
早速図書館のサイトで予約をかけてしまいました。

「うちの子が泣いてるわけ」 グレッグ・ペンブローク著
「テレビじゃ見れないクイズダービー」 TBS編
「地団駄は島根で踏め」 わぐりたかし著
「オヤジ国憲法でいこう」 しりあがり寿/祖父江慎著

いずれも予約順位第一位でした。

ジョン万次郎漂流記

.05 2019 読書 comment(0) trackback(0)
相変わらず、直木賞受賞作品を追っかけています。
今回は井伏鱒二「ジョン万次郎漂流記」
(1937年発表、1938年直木賞受賞)を借りて来ました。
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万次郎がお世話になった
ホイットフィールド船長は格別親切でしたが、
漂流民に対するホノルル政庁の扱いや、
マサチューセッツ州で下宿の桶屋から
学校に通わせてもらったこと、
最後に日本に帰国する時は
ホノルルで義捐金まで募集してくれたことなどから
この当時のアメリカでは人種差別が
さほどひどくはなかったように思われました。

漂流してから10年後に琉球に帰着したのですが、
ここが薩摩藩の支配下だったことも幸いだったようです。
ロシアに漂流して帰ってきた仙台の船頭などは
帰国の時の取り調べの厳しさに業を煮やして自殺したのです。
薩摩藩主斉彬侯みずから万次郎らを前に召し、
酒肴を出し人払いして米国の国情を下問したとあります。

その後長崎での取り調べで、踏み絵を試され、
土佐に帰国して、まだ生きていた母親に会えました。
その後江戸に召され、通訳として咸臨丸で
アメリカにわたるなどの活躍をします。

この本は字も大きくて読みやすく、
お勧めです。




ブレグジットの真相

.22 2019 読書 comment(0) trackback(0)
イギリスのEU離脱の国民投票の結果は、
アメリカのトランプ大統領就任と同じで、
移民反対、ポピュリズムの台頭という流れの中で起きた
というのが一般メディアの論調になっています。
私もなんとなくそう受けとっていましたが、
そうではないと主張する本を最近読みました。

「労働者階級の反乱 地べたから見た英国EU離脱」
著者はブレイディみかこ。
イギリスの労働者階級の男と結婚し、公営住宅に住み、
保育士をしている女性です。

格差がますます拡大しているイギリスで、
2010年に保守党が政権をとってから、緊縮財政がしかれ、
保育所は次から次へと閉鎖に追い込まれ、失業手当はカットされて、
ついに労働者の怒りが爆発したのがEU離脱国民投票の結果なのだと
著者は言っています。

2冊目が
「子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から」
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ここはまさに英国の地べたです。
十代で子供を産むシングルマザー、子供手当と生活保護だけでは
ろくに子供に朝ご飯も食べさせられない家庭だらけ。
ここでは移民家庭のほうが白人貧困層を差別するのです。
保育の現場から格差と分断の情景をみごとに描き出しています。

今年の全英オープンは68年ぶりに北アイルランド(イギリス領)で開催されました。
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地元の大声援を受けて優勝したシェーン・ロウリーはアイルランドの選手。
イギリスがEUから離脱したら、アイルランドと北アイルランドの間に
国境ができてパスポートコントロールを受けなければなりません。
今日のこの何万人という観客はこの次からは、
パスポートをもってここに来なければならなくなるのです。

江戸時代の松平定信の寛政の改革、水野忠邦の天保の改革は
いずれも贅沢禁止の緊縮財政・デフレ政策で庶民の怒りを買いました。
そのせいでしょうか、
外国では保守党というと緊縮財政を敷くというのが一般的ですが
日本ではなぜか保守政党がインフレ政策バラマキ政策をとります。

おかげで国の借金は世界一という日本ですが、
そのほうがよいという国民の選択が今度の選挙結果なのでしょうね。



等伯

.15 2019 読書 comment(2) trackback(0)
私は芥川賞よりも直木賞のほうが好きだ。
三人の作家の直木賞受賞作を図書館から借りてきた。
柴田錬三郎「イエスの裔」1951年
山本健一「利休にたずねよ」2008年
阿部龍太郎「等伯」2012年
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一番感激したのが「等伯」。
恥ずかしながらこの本を読むまで
長谷川等伯という画家の存在を全く知らなかった。

戦国時代、能登の国七尾に生まれ、
時の画壇を支配していた狩野派を脅かすまでに上り詰めた画家である。
堺の町に住み利休の知遇を得て、
秀吉に認められ、最後は家康に招かれて江戸に行くまでになった。
こういう天才はだいたい私生活は恵まれないものだが、
彼は先立たれはしたものの良き妻と息子たちに恵まれている。

等伯を特集した日曜美術館(NHK)のYouTubeを発見した。
https://youtu.be/SLY9hoqqPBE
これを観れば小説の中に出てくる絵はほとんど見ることができる。
この番組の中で、
コシノヒロコは「等伯は今のファッションデザイナーのようだ」と言い、
漫画家のおかざき真理は「少女漫画の共感力をもつ」と絶賛している。

この本を読んでからは、等伯の追っかけをやりたくなった。
能登の七尾を訪れてみたいし、京都の智積院(ちしゃくいん)の絵も見たい。
まだまだ当分は死ねない。

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