川の国フランス

.30 2010 フランスの自然 comment(0) trackback(0)
3月27日の記事「フランスの番地表示」のなかで、
「町の名前も日本とフランスでは呼び方が違う。
日本では、相模大野、武蔵村山、石見江津などと
地方の名前を頭につけて似たような町の名前を区分しているが、
フランスでは川の名前を後ろにつけて区分している。
たとえば、Neuilly sur Seineセーヌ河のそばのヌーイとか、
Noyal sur Vilaineヴィレーヌ川のそばのノワイヤルというふうである。
イギリスでも、シェーークスピアの生まれた町は
Stratford upon-Avonアボン川のそばのストラットフォードという。」
と書いた。

同じような街の名前を河によって区分しているのだが、
県の名前は殆どが河の名前に由来している。

フランスには海外県を除くと、96の県がある。
フランスの地方行政区画」には県名の一覧表があるが、
この県名をクリックすると各県のWikipedia に飛ぶので、
県名の由来を調べると、なんと63の県が川の名前からつけられている。
63/96は66%、3分の2である。

例をあげると、
レンヌ市のあるイレヴィレーヌ県はイル川とヴィレーヌ川に由来し、
東隣のラヴァルのあるマイエンヌ県、さらにその東のルマンのあるサルト県は
それぞれ同名の川が県内を流れている。

県の名前はいつつけられたか。
1789年のフランス革命によってである。
それまでのアンシャンレジームが解体され、県が設置された。

明治4年(1871年)に廃藩置県により
日本に新しい県ができたのと同じである。
私の田舎の島根県は隠岐の国、出雲の国、石見の国の3つが一緒になった。
県庁のある松江の周りが嶋根郡だったので島根県になったらしい。
いい加減といえばいい加減な名付けである。

フランス革命の場合、昔の領主の名残を残したくないとすると、
川の名前を付けるのが一番自然だったのであろう。
フランスには東部のアルプスや南東中央部の山地くらいしか、山らしい山がない。
川の流れはゆるやかで、古くより水運が発達していた。
これはフランスの河川の地図。
france-rivers-map.jpg
出典:about-france.com

これは運河の地図である。
大西洋側のルアーブルやボルドーから、河と運河を使えば、地中海へ抜けられるのである。
fance-navigable-waterways.jpg
出典:cruise-in-france.com

この地図には載っていないが、ブルターニュ地方にも運河はある。

西端のブレストBrest からポンティヴィPontivy 、ジョスランJosselinを通り、
ルドンRedon を経由してロワール川のナントNantesまで通じる運河がある。
もう一つは北のサンマロSaint-Maloからランス川をさかのぼって
ディナンDinan、レンヌRennesを経由して
ルドンRedonでブレスト・ナント運河に合流するものである。

(参考)ブレスト・ナント運河の写真はこちらのサイトCanal+en+Bretagne-map.jpg

私たち家族のように車でバンバン飛ばすのではなく、
ヴァカンスに船でゆったりと運河めぐりをする人もいる。
またリタイアして船を買い運河旅行をする人も少なからずいるようである。
フランスの運河は、いまだに税金により公社によって維持管理されているのである。

フランスの運河ではないが、北欧を旅行した時のスウェーデンの運河の写真を
参考に載せておく。船が通る時に橋を上げ下げする珍しい運河である。
Sweden1_convert.jpg Sweden2_convert.jpg Sweden3_convert.jpg


(参考)
フランスの運河については、もっと良い記事があったので、ご参考まで
フランスの運河をめぐって
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秒速と時速

.29 2010 フランスの自然 comment(4) trackback(0)
急に寒くなって12月の気温になったと思ったら、
今度は台風だ。
台風14号が沖縄に近付いている。
皆が心配しているのが最近の大雨で被災した奄美大島である。

沖縄の那覇市内で秒速34.8mを記録したという。
台風の周辺では秒速40m、中心では秒速60mの風が吹くとのこと。
民放テレビでレポーターが沖縄の風の中に立って、その凄さを報告している。

この秒速何mという表現で風の速さがどのくらいか、
日本の人はわかるのだろうか。
うちの家内は、こういうニュースを聞くたびに、
「フランスのように時速何kmといってくれないかしら。
秒速だとどのくらいの早さか分からないじゃない」
といつもいう。

フランスでは、テレビの天気予報(Meteo メテオ)では、
風速を時速何kmと説明していた。
時速で言われると車のスピードと比較して容易に理解できるのである。
我が家もブルターニュ滞在中の8年間で22万km走ったので、
車のスピード感覚は身についているのである。

秒速を時速に直すには、
60秒 x 60分 ÷ 1000m = 3.6 km 
を秒速に掛ければよい。
我が家では大体時速に直す癖が付いているので、
4倍して1割減らすか、ケータイを持ち出して計算する。

秒速34.8m x 3.6 は時速125kmである。

秒速40mは時速144km。
フランスで高速道路を走っているときのスピードだ。
これなら家内は理解できるというのである。

私より3カ月遅れで家族が赴任してきた時、
私はレンヌからシャルルドゴールまで車で迎えに行った。
私が高速道路を140~150kmで走ったら、
家内はわめいた。
「制限スピードはいくらなの?130km。
なんでこんなにスピードを出すの。130で走ればいいじゃない」

半年くらい経ってパリへ日本食材の買い出しに行く時、
彼女に運転させると、バンバン追い抜いてゆく。
「もっとゆっくり走ればいいじゃないか(冷やかしで)」
「何言ってるのよ。これくらいで走らないと3時間半では着かないわよ」

1秒間に40m移動すると想像するか、
時速144kmで車で走ると想像するか、
どちらが理解しやすいだろうか。

木枯らし一番

.28 2010 あざみ野近辺 comment(2) trackback(0)
10月27日水曜日 晴れ

天高く、素晴らしい天気です。
巻雲というのか薄雲というのか高い所に雲があります。
001木枯らし 015
しかし風が冷たい。昨晩は木枯らし一番が吹きました。
今朝の最低気温は11度、一挙に6度も下がりました。
昨日は北海道で雪が降ったし、いよいよ冬の始まりです。。

隣町の駅ビルまで歩いて、ランチに行きました。
駅ビルの2階からの写真。まさに都会ですよ。
002木枯らし 005

駅ビルにはこれだけのランチの選択肢があるのですが、悩ましい。
003木枯らし 004

パン食べ放題の店に入って見ようと思ったのですが、
ずいぶん人が並んでいたのでパス。
結局同じ並ぶなら、ラーメンが速いということで、
「博多一風堂」に並びました。
しかしすごい人気です、この店は。
全国で56店舗、横浜市内でも目抜きスポットにここが4店目です。
うまいラーメンを考えつけば、フレンチレストランより儲かりますね。
木枯らし 006

最近の店は、足元に物入れ籠を置いてくれるようになって、
ハンドバッグや帽子の置き場所に困ることがなくなりました。
誰が考えたか、いいアイデアですね。
木枯らし 007

我が夫婦とも細麺が大好きでトンコツスープも好きなので、
白玉肉入り950円を注文しました。
木枯らし 008
やはりこのラーメンが最高ですね私には。

ハナミズキはすっかり紅葉し、ポプラやケヤキも色づき始めています。
木枯らし 011 木枯らし 017
木枯らし 018 木枯らし 021
女郎蜘蛛がまだ頑張っていました。
木枯らし 012

今日は9726歩でした。

◯◯の人

.27 2010 フランス語 comment(0) trackback(0)
日本語では、国や地域に住んでいる人を表すには、
◯◯人という呼び方をする。
日本人、アメリカ人、フランス人である。
白人、黒人、外人などといういい方もある。

島根県の人は島根県人または島根県民という。

島根県人会や島根県人会館は東京にあるが
島根県民会や島根県民会館というのは島根県にしか存在しないので、

島根県人は島根県出身で今県外に住んでいる人をいい、
島根県民は今現在島根県に住んでいる人のような
ニュアンスの違いがあるが、
どちらでもいいような気もする。

「秘密のケンミンSHOW」というTV番組では、
県外に住んでいる人のこともケンミンと呼んでいるようである。
県以外の道、府、都では、北海道民、大阪府民、東京都民といい、
北海道人、大阪府人、東京都人とは言わないので、
ミンで統一したのかもしれない。

市町村区になると市民・町民・村民・区民としか言わない。

特殊な呼び方として、道産子、水戸っぽ、江戸っ子、肥後もっこす
「俺、浜っ子じゃん(横浜市民)」
などがあるが、例外的である。

日本語ですら「人」と「民」の使い方は
はっきりしたルールがあるわけではない。
しかし、日本語では、◯◯人、◯◯の人、◯◯民、◯◯の民
という表現しかないので、
人か民か、たった2種類しかないので非常に簡単である。

これがフランス語になると簡単には行かない。
「ややこしや、ややこしや」という狂言の世界になる。
フランス語の授業では教えてくれない。
現地に行って覚えるしかない。
また実際にフランスに住んでいない人には無用の知識である。

フランス語の授業で教えてくれるのは、国民の呼び方である。
日本語の○○人の語尾の人の部分が国によって違うのだ。

国名 → 国民名 で表現するとこうなる。
日 Japon → Japonais 、
仏 France → Francais 、
米 Etats-Unis(Amerique) → Americain 、
加 Canada → Canadien、
英 Angleterre → Anglais、
独 Allemagne → Allemend、
伊 Italie → Italien、
中 Chine → Chinois、

なんじゃこれは、一体どういう規則になっているんだ、
と聞いてもしょうがない。
フランス人はこういうのだ。(英語でも似たようなものである)

国民名でもこれだけややこしいのだが、
フランスでは住んでいる町によって呼び方が違うのだ。
日本語のように「函館のひと」「新潟のひと」というわけにはいかない。

ブルターニュBretagne に住んで最初に覚えるのが
Breton(ブルトン:ブルターニュ出身の人)という単語である。

パリParis の人は パリジャンParisiens か、これは誰でも知っているな。

次に覚えるのがレンヌ Rennes の人は
レネ、レネーズRennais(男) ,Rennaise(女)である。

「えー? 
町ごとに住む人の呼び名があるわけ?」


「じゃあ、リフレ Liffre の人は?」
と会社のフランス人に聞くと
「 リフレンLiffreen 」と答える。
「オララ、規則はないのか」
フランス人は答える。
「セ・トレ・コンプリケ(とてもややこしいですよ)」
彼は面白がっていろいろ教えてくれた。

マルセーユMarseille の人は、
マルセイエ、マルセイエーズMarseillais, Marseillaiseという。
ラ・マルセイエーズというのはフランスの国歌だね。
リヨンLyon の人はリヨネ、リヨネーズ Lyonnais, Lyonnaise という。

「お、だんだんわかってきたぞ」

「いやいや、そんなもんじゃないですよ。ルマンの人は何というでしょう」

Le Mans という町はレンヌの東150kmのところにある街で、
ルマン耐久24時間レースが6月にあるので、日本でも有名だ。
ルマンと発音しても通ぜず、ルモ~ンと鼻に抜かなければ通じない。

Le Mans の人は モンソー、モンセルManceau, Mancelle といいます」
「なんだよ、それは。Le が抜けるのかよ。わけがわからんな」

「まだまだ、ありますよ。ボルドーBordeax の人はボルドレ Bordelais です」
「サッカーチームがそういう名前だったね」

「さらにすごいのが、
シャトーChateau(城) がカステル Castel(城) に変わる例があります」
「?????」
Rennes の近くにシャトーブリオン Chateaubriant という町がありますが、
ここの人はカステルブリオンテ Castelbriantais といいます。
Chateau が Castel に変わるのです」

「やはり コンブルグCombourg という町が近くにありますが、
ブルグbourg というのはやはり城とか砦を意味しています。
Combourg の人はコンブルジョワ Combourgeois といいます」

「なんだよ、ブルグの人はブルジョワか、金持ちなんだな」

「では最後に、シャトーブルグChateaubourg の人はなんというでしょう」
「そりゃわかるよ。 ChateauCastel で、
bourg が bourgeois だから
カステルブルジョワCastelbourgeois だ」
「大当たり」

というわけで、臨時のフランス語講座は終わった。
これでウエスト・フランスという地方新聞がだいぶ読みやすくなった。

そのうちレストランのメニューが読めるようになると知識は増えてくる。
◯◯人は風の、◯◯産の、◯◯の、という意味にもなるからである。

ディジョネDijonnais はディジョン風だから辛子ソースがついているなとか、
ニーソワNicois はニース風だから、オリーブかアンチョビーが入っているなとか、
ブルギニョンBourguignon はブルゴーニュ風で油であげるやつかな
とかわかるようになる。

こういう風に会社のフランス人が教えてくれたからいいようなものの、
フランス語の辞書を引いてもこういうことは載っていない。
地名まで載せたら、ページ数が足りなくなるからだ。

今から20年前はそれだけの知識だったが、
今回この記事を書くに当たって、Wikipedia を調べてみた。
さすがですね、ありましたね。

日本語版「住民の呼称」→ フランス語版 Gentile → 英語版 Demonym
例の豊栄流簡単仏訳法でいくらでも調べられる。
街の名前を入れて、その町の ジョンティレ Gentile を調べればよいのだ。
ちなみに、Gentile という単語は私の旺文社ROYAL辞典には載っていない。
Wikipedia の記事にあるように1997年以降の新しい概念のようである。

面白いのを発見した。
カルナックCarnac → Carnacois 、アミアンAmiensAmiennois
アルルArles → ArlesienシャモニーChamonixChamoniards 
はかわいいとしても、

モンサンミッシェルLe Mont-Saint-Michel →モントワ Montois

サンマロSaint-Malo →モルーアン Molouin は、うーんと唸ってしまうし、

サンテティエンヌSaint-Etienne → ステファノアStephanois
は駄洒落としか思えないし、

トゥールTours → トゥランジョー、トゥランジェルTourangeaux Tourangelles 
にいたっては、堪忍してといいたい。

日本でも シロガネーゼ (カネがねーぜ) といっているが、
案外本当のフランス語だといってもいいのかもしれない。

あわしがき

.26 2010 食と料理 comment(0) trackback(0)
じゃーん
ついに来ました。待ちかねていた「あわしがき」です。

家内の母が毎年島根県から送ってくれるのですが、
今年は猛暑の影響で、方や、松茸が大豊作になっているのと対極的に、
西条柿(渋柿)(注)が全滅で、田舎の柿農家は悲嘆に暮れているとのことです。
西条柿 002
ということで、今年は送れそうもない、ということだったのですが、
何とか小さい箱を一箱送ってもらったという電話がありました。

西条柿 003
箱の横に、「規格外」というスタンプが押してありました。
フランスだったら誰も気にしないでしょうが、
日本は大きさや形で商品価値が変わってしまうのです。
規格外で結構、全く問題ありません。

「10月25日以降お開け下さい」という意味は、
箱の中では柿がビニール袋の中にはいっており、同じ袋の中には
ドライアイスが入っていて二酸化炭素が詰まっているのです。
西条柿 004
この二酸化炭素によって、渋柿の渋(タンニン)を抜いてしまうのです。
この方法で渋を抜くには5日くらい必要なので、
この箱は5日前にドライアイスを入れて梱包されたのです。

柿の呼吸を妨げると、水溶性タンニンである渋が、不溶性タンニンに変わり、
人が渋さを感じなくなるとのことですが、
その原理については、このサイトをご覧ください。

ドライアイスの二酸化炭素を使う方法は最近になって開発された方法で、
これによって、渋柿の商品価値が一挙に高まりました。

私が子供のころは、渋を抜くには焼酎に漬けるか、
あるいは風呂のお湯に一晩漬けておく方法を採りました。
それ以外は、木の上で熟し柿になるのを待つか、
干し柿にして渋を抜くしかありませんでした。

柿を箱から取り出してみました。
確かに規格外だけあって、大きさはバラバラです。
西条柿 005

すでに、熟しかけたものもあるので、これは急いで食べなければなりません。
青い柿でも今すぐに食べられますが、これは後回し。

家内が早速剥いてくれました。
西条柿 007

美味しいです。実に美味しい。
関東の人は渋柿を食べないので、この美味しさは知らないでしょう。
このさっぱりした甘さ。いくらでも食べられます。
母に食べさせました。
「こがーな、うまいもんが、ほかにあろうか」
というのが母の感想です。

西日本の人は、この柿のうまさを知っていますが、
関東の人はご存じないようなので、ご参考までに解説しておきます。
これは「あわしがき」といいます。

広辞苑を引くと、
あわす「淡す、醂す」(他四・下二)柿の渋を抜く。さわす。
あわしがき「淡柿、漬柿」渋を抜いた柿。さわしがき。あわせがき。
とあります。

また同じく広辞苑に
たるがき「樽柿」空いた酒樽に渋柿をつめ、樽のアルコール分によって
渋柿を抜きとったもの。さわし柿。

関東では「たるがき」なら、聞いたことがあるという人もいるようです。

この「あわしがき」を作るにはちょっとしたコツがあり、注意が必要です。
写真のように、柿にはヘタが残っています。
ヘタの中心部(赤い矢印)のところに黒い点がありますが、
これは枝をひねって芯を抜いた跡です。
ここから二酸化炭素が入って柿の呼吸を止めるのです。
西条柿 010

これから、柿をよく洗い、
芯の上に濡れティッシュをかぶせて、そのティッシュを下にして立て
冷蔵庫に保管します。
こうすれば一ヶ月くらいはもつのです。
すでに赤くなりかけたものは早々に食べなければなりませんが、
いくらでも食べられるでしょう。

この柿や干し柿を毎日食べると、コレステロールの値が劇的に下がるので、
医者泣かせの柿といわれています。

柿が豊作の年は、柿をそのまま送ってもらい、皮をむいて
縄にぶら下げて、ベランダで干し柿を作っていましたが、
今年はそれはできそうもありません。

(注)西条柿:東広島市西条が原木地で現在は島根・鳥取両県を主産地とし、中国地方の約1000haで栽培されている、ローカル品種である。瀬戸内、九州、関西を主な市場として出荷されている。
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