図書館で面白い本を見つけた。
本屋でお金を出しては買う気はしないが、
図書館だと借りてきてちょっと読んでみようかという気になる。
松尾芭蕉この一句
現役俳人の投票による上位157作品
有馬朗人・宇多喜代子 監修
柳川彰治 編著 2009年11月発行 平凡社
全国312人の現役俳人に投票させ、
この一句(3点)、そのほか次点10句(1点)を選ばせて、
その集計結果と投票した俳人の観賞文をつけて本にしたものである。
本では順位の一番低い句から載せていて、
上位の句を推理するようになっているが、
そんなに気の長い人はいないだろうと思う。
私のように、まず最後のほうを読み、一位の句は何かを確認し、
10位くらいまでをざっと見て、
それから最初のページに戻るのが普通ではなかろうか。
著者の意図には反するが、一位から並べるとこうなる。
(みんな忙しいのだから)
1位 荒海や佐渡に横たう天の河 258点
2位 閑さや岩にしみ入る蝉の声 243点
3位 夏草や兵どもが夢の跡 206点
4位 旅に病んで夢は枯野をかけ廻る 184点
5位 五月雨を集めて早し最上川 106点
ここまでは「知ってる、知ってる、なるほど」だったのだが、
6位から9位の4つの句を私は知らなかった。
6位 海暮れて鴨の声ほのかに白し 95点
7位 この道や行く人なしに秋の暮 94点
8位 石山の石より白し秋の風 78点
9位 五月雨の降り残してや光堂 74点
10位になってまた私の知っている句に出あう。
10位 秋深き隣は何をする人ぞ 73点
以下は10位以下で、私が知っている句を並べてみた。
13位 古池や蛙飛び込む水の音 70点
14位 行く春を近江の人と惜しみける 70点
15位
さまざまな事思い出す桜かな 69点
解説にもあった。老人会の句会で、「桜かな」を
「花火かな」「紅葉かな」に置き換えた句がよく出てくるという。
芭蕉も罪作りな句を作ったものだと。
人生の全てはこの一句に尽きる、とまで言う評者もいた。
18位 行く春や鳥啼き魚の目は泪 63点
20位 山路来て何やらゆかしすみれ草 59点
22位 旅人とわが名呼ばれん初時雨 57点
25位 一家に遊女も寝たり萩と月 47点
32位 無残やな甲の下のきりぎりす 33点
37位 草の戸も住み替わる代ぞ雛の家 24点
38位 初時雨猿も小蓑を欲しげなり 23点
40位 名月や池をめぐりて夜もすがら 22点
42位 花の雲鐘は上野か浅草か 22点
47位 物言えば唇寒し秋の風 17点
58位 蚤虱馬の尿する枕もと 13点
64位 秋近き心の寄るや四畳半 10点
78位 枯枝に烏の止まりけり秋の暮 7点
これは私は知らなかったが、今回いいなと思った句。
166位 秋海堂西瓜の色に咲きにけり 2点
ところが、
松島やああ松島や松島やという句は、結局出てこなかった。
読み飛ばしたのかなと思い、巻末の索引を探したがやはりない。
ネットで検索したらWikipediaにこう書いてあった。
「松島やああ松島や松島や」は、
かつては芭蕉の作とされてきたが記録には残されておらず、
近年この句は江戸時代後期の狂歌師・田原坊の作ではないかと考えられている。
なあんだそうだったのか。
昔、学校で習って、これなら簡単と言って皆が真似した句で
誰でも覚えている句だったのに。
残念。
スポンサーサイト
散歩の途中で、テニスクラブの駐車場の壁に、
こういう看板を発見しました。

福島の記事の切り抜きや、東日本被災地の写真が貼ってあります。

テニスクラブの支配人としては、何らかの形で
連帯の意思表明をしたかったのでしょう。

私はどうしているかというと、
最近の晩酌に、福島県産のお酒を買っております。
これくらいしか私の連帯の意思表明の方法がないのです。

栄川は会津の酒、大七は中通り(二本松)の酒じゃないか、
と突っ込みを入れないでください。
浜通りの酒が近くの酒屋では見つからなかったのです。
スーパーで福島産の野菜があれば、我が家ではすぐ買います。
洗えば済む話だし、仮に何十年先にがんが出たとしても、
それはしょせん年齢的な再生疲労によるものですから。
我が家の周囲の八重桜もいよいよ散り始めた。

だんだんと緑の葉が伸びて来た。

寒緋桜から始まって河津桜、染井吉野、しだれ桜、山桜ときて、この八重桜で桜も最後である。

名残惜しいね。
さまざまな事思い出す桜かな 芭蕉
行く春を近江の人と惜しみける 芭蕉

これからはわれわれツツジ属にお任せください、と言っているようだ。

これからはいよいよ初夏。

それにしても今日は暑かった。
真言宗等覚院の藤がすばらしいというネットの記事を見て、
神奈川県中郡二宮町に再びやってきました。

確かに樹齢400年で将軍家光が上洛の旅の途中わざわざ立ち寄ってみたという故事はあるのですが、

小さな藤で、正直言ってがっかり。これなら小田原城の藤のほうがもっとましです。

なにせ、
足利フラワーパークの大藤を何回も見た後では、
あれと同じ感動を求めるほうが無理というものですが。

藤よりも、門わきのマキの木に感激。これだけ立派なものはそうそうありません。

お寺の後は、
吾妻山公園に再びのぼりました。
前回は菜の花の季節に、私一人でやって来たので、家内は初めてです。

頂上に近づくにつれて、子供たちの歓声が聞こえると思ったら、遠足でした。

小田原、真鶴半島を見ながらのんびりとお弁当をとるご夫婦。
富士山はまたも雲に隠れて見えません。

子供たちもお弁当。

新緑の榎も立派。

咲き始めたツツジと

満開のシャガを楽しみながら下山。


お昼は「しょうゆ味肉そば」。
自治会のクラブ総会に出席した。
自治会からは独立しているが、自治会や横浜市から補助金を貰っているので、
きちんと決算報告をしないといけないのである。
会員数215名(男98名、女117名)、クラブ数19で、
青葉区内では会員数、活動内容でトップクラスである。
総会の後は懇親会。
先週、「ブルターニュ旅行案内」を水曜サロンで発表したばかりなので、
たくさんの方に声をかけていただいた。
お話を伺うと皆さん、世界中を旅行されていますね。
私より10歳以上年上と思える女性は、ロンドンに5年、
シドニーに5年おられたそうで、思わず握手。
ブルターニュのディナンにもノルマンディの米軍墓地にも、
ピレネーのルルドにも行ったことがあるとのことだった。
厚生労働省の調査によると、
市町村別では男性の平均寿命が一番長いのがこの横浜市青葉区、
2番目がお隣の川崎市麻生区だそうである。
区内に老人ホームが多いからだろうと思うが、
このようにお元気な方々が多いのも事実だ。
これは自宅近くの歩道。
ヤマモモの花が散ってこのようになっている。
Myrica rubra
この木は今年も豊作らしい。