畏れ慄いて(おそれおののいて)

.31 2013 読書 comment(2) trackback(0)
(かっかっかっ)
(ふむふむ)
あっという間に読んでしまいました。
アマゾンで注文したのが昨日。
今日の午後1時過ぎに、母をちょうど病院へ連れて行こうとしている時に配達され、
病院から帰って、4時半にまた母を迎えにゆく間に読了しました。

「畏れ慄いて(おそれおののいて)」アメリー・ノートン著、藤田真利子訳
畏れ慄いて 002
"Stupeur et tremblements" par Amelie Nothomb (belge)

作者は、元ベルギー日本大使の娘で、神戸生まれでその後世界を転々とし、
ベルギーの大学を卒業して、三井物産に一年契約社員で働いたと、
Wikipediaに書いてあります。

その時の経験を元に、
日本の商社の経理部に入社したフランス人女性が職場でいじめに会い、
お茶くみ、不必要なコピー作業、不要なインボイス集計作業などをやらされ、
挙げ句の果ては便所掃除を半年もさせられるという理不尽な体験談を
この小説で面白おかしく語るのです。

1999年にフランスで小説発表され50万部を売り、
2003年には日本語で映画化されたものの、
あまりに日本企業を誹謗中傷しているとして、
日本では映画は公開されなかったとあります。
フランスに居住する日本人は、あれは本当かとフランス人に聞かれて
往生したとか。

日本の経営者が「あれは真っ赤な大嘘だ」と言ったとか、
サラリーマンを経験したことのないと思われる日本人から
一斉にブーイングが起きたと、当時の記事がネットに残っていました。

経理畑でサラリーマンを勤めあげた私にすれば、
「これ、ホントの事なのに、なんでそんなに怒るの」
と言いたいですね。
実際に作者が商社で経験したことかどうかはわかりませんが、
1990年ころの日本ではこんなパワハラは
いくらでもあったんじゃないでしょうか。

"Oui, c'est vraiment possible!”

日本人の作者が書いたこの手の話の小説やテレビドラマは
いくらでもあるじゃないですか。
日本人が書くと「あっはっは」で終わるのに、
ガイジンが書くと許せないんですね。
韓国人や中国人が書いていたら外交問題になっていたかもしれませんが、
ベルギー人だからまだ映画未公開くらいですんだのでしょうかね。

私がふむふむと感心したところを抜粋してみましょう。

(日本女性は)「子どもを産み育てるのも義務だ。
その子どもを三歳までは神様のように扱い、
三歳になると”お受験”という地獄に放り込む。
その地獄は三歳から十八歳までつづき、
大学生活という休息期間をへて、
二十三歳からはカイシャという軍隊生活が始まる。」

「・・・”オバサン”へと変身する。そしてモリモリ食べて
ブクブク太りだし、パチンコなどのギャンブルにはまり、
キッチン・ドランカーになり、不倫にはしり、
下世話な週刊誌に話題を提供する。
このような肉体的快楽の悪癖を身につけた日本女性は、
アメリは人でさえ最低もっているモラルを軽く越えていく。」

どうですか、なかなか簡潔に核心をついていますよ。

綾小路きみまろが漫談で言ったら大笑いするのでしょうが、
ガイジンに言われたら、うるさいほっといてくれ、ということでしょうか。

これを笑い飛ばせる度量が日本の社会にほしいですね。

この本でもう一つ感心したのが、翻訳のうまさです。
「翻訳が自分のイメージ通りになるまで追求の手を緩めようとしなかった
豪腕編集者・内田眞人さんに、厚くお礼申し上げる」と訳者あとがきで
藤田真利子さんが書いていますが、本当に読みやすかったです。
ディック・フランシスの小説がこうであったらいいのに。

この作品が日本で話題になった頃、
私はシドニーに赴任していたので見逃していたのですが、
つい最近「エスカルゴの国から」というフランス在住の方のブログで発見しました。
DVDも日本で売り出されたらぜひ見てみたいものです。

改めて、横浜市立図書館のホームページで検索してみると、
アメリー・ノートンの作品は他にも図書館に在庫があったので、
明日早速借りに行こうと思います。
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Breeze of China

.30 2013 食と料理 comment(0) trackback(0)
ポピーを見たあと、川を下って、
ホテル・サンライフ・ガーデンの経営する中華料理を食べにゆきました。
昨年は隣の教会の二階でイタリアン・ビュッフェを食べたのです。

この建物が、目指す中華料理店です。
なにせイギリスのマナー・ハウスを移築したというから
驚きものですよ。
馬入中華01

入り口に "Breeze of China" のプレートがあります。シックでしょ。
馬入中華02

ドアを押して入ると、こんな階段が迎えてくれます。
馬入中華03

二階に案内されると、こんな感じのテーブルが待っています。
(実際に食事した部屋は女性客ばかりの満席で
写真が撮りにくかったので、隣の部屋を写しました)
お茶のテーブルではセルフで何種類ものお茶が選べます。
馬入中華04

私は「和牛のなんとか」、家内は「帆立と海老とそら豆のなんとか」
のランチセットを注文しました。
お茶は家内が選んだ2種類の飲み比べ。
馬入中華05

デザートは中にイチゴの細切れがたくさん入った杏仁豆腐。
これは初めての驚きの味でしたね。
馬入中華06

すっかり満足して、ひらつかアリーナの駐車場へ帰る途中で、
白いサツキを発見しました。
我が家の周りのサツキは殆どピンクばかりで、赤が少しです。
ですから白いサツキは非常に珍しいのです。
しかもこのサツキの花びらの大きいこと!
馬入ポピー 134

アリーナの隣で、立派なセンダン(栴檀)の木を発見。
栴檀01

花がもぶれて咲いています。

風が吹くと素晴らしい香りに包まれるのです。
栴檀03

なかなかいいドライブでした。

「未来のモンサンミッシェル」の現況

.29 2013 フランスの生活 comment(0) trackback(0)
モンサンミッシェルがもめているらしい。(20136年5月28日 読売新聞朝刊)
MtStMichel201305280001.jpg
(クリックで拡大記事が読めます)

モンサンミッシェルの堤防を橋に取り替えて、
往時の孤島に戻す工事のことは、
私も2年半前の記事で紹介した。
「未来のモンサンミッシェル」2011年2月10日の記事

干潟の中にあった駐車場を2.5km内陸に移設して、
新しい駐車場から島までを無料シャトルバスで移動する仕組みになったのだが、

問題は新しい駐車場の駐車料金だ。

無料バスの運営費を賄うため、
駐車料金が6ユーロから8.5ユーロに値上げされ、
さらにこの6月から一挙に12ユーロ(1600円)に値上げされる。
これは高い、確かに高い。
鎌倉の鶴ヶ岡八幡宮前の駐車場並みですよ、これは。

このため観光客が減ったと、
島の観光業者は一斉に反発して、
飲食店や土産物店が2時間のストライキをうった。

それにしても、
(えー? この工事、まだ終わってないの?)
というのが私の感想だ。
2年半前の私の記事では、総工費は1億5千万ユーロで、
2012年に工事が終わることになっていた。
それが、この読売の記事では、
総工費は2億3千万ユーロと5割増しになり、
工期も2015年完成と3年も遅れている。

この程度の簡単な工事なら、日本だとあっという間に終わるのにねー。
(なんで2005年着工で10年もかかるのかようわからん。
岡山-香川の瀬戸大橋は10の橋を10年で架けている。)

フランスらしいといえばそれまでだが、
フランスの公共工事は、こんな感じでちんたらと遅らされて、
業者の食い物にされてしまうのだ。

馬入のポピー

.28 2013 花(草花) comment(0) trackback(0)
これは何でしょう。
馬入ポピー 005

今年もまた馬入(ばにゅう)光と風のはなづつみ(神奈川県平塚市)にやって来ました。
馬入ポピー 001
(写真はクリックで拡大して見てください。)

あいにくと曇りですが、ひばりが天高くさえずるのを聞きながら、
花畑の中を歩くのは最高です。

このポピーという花は気品がありますね。
品種改良で八重咲きなどにしないでほしいものです。
馬入ポピー 004

ノカンゾーがもう満開です。
馬入ポピー 010

土手にはホタルブクロがびっしりと映えています。
馬入ポピー 011

土手の上から望遠レンズで写した眺めです。
馬入ポピー 012

土手のチガヤ越しに狙ってみました。
馬入ポピー 013 チガヤ

幼稚園児の一団とすれ違い、大勢の若いお母さんをいっぺんに見たのですが、
日本の明るい未来を見ているようで嬉しかったです。
馬入ポピー 014

江戸時代には、この地は東海道五十三次の平塚宿・馬入の渡しだったのです。
記念碑の隣に立っている初代広重の浮世絵。
馬入ポピー 015

ここに来るには、ナビに「ひらつかアリーナ」0463-25-0011を
インプットするのが正解です。
駐車場は無料ですから。

中学生からの作文技術

.27 2013 読書 comment(0) trackback(0)
「中学生からの作文技術」本多勝一著(朝日選書)を読みました。
作文 001
「上手な文章、美しい文章を書くには才能が必要だ。
だが「わかりやすい文章」を書くには才能は必要ない。
だれでも習得できる「技術」が必要なのだ。」・・・(裏表紙)

筆者は学校教育の中で文章の書き方を教えてもらったことがないと
断言しています。
今の学校教育では、英語の授業でピリオドとカンマの打ち方を教えているのに、
国語の授業で「、(テン)」の打ち方を教えていない。
「、(テン)」の打ち方さえ教えられない小学生に、
一部で「英語」を教えようという植民地的教育状況が発生している。
また、今の小学校で読書感想文を書かせているが、
いやいや書かせるから読書まで嫌いになってしまう。
こうしたことを筆者は憂えています。



全く同感です。
私も文章の書き方やテンの打ち方を学校教育で教えてもらった記憶がありません。
私が文章の書き方を教わったのは会社に入ってからです。
「結論を先に書け。漢字が多すぎる。もっと簡潔に、不要な修飾語が多すぎる。」
などなど徹底的に先輩からしごかれました。

今でもその癖は残っていて、
メールなどでは、タイトルだけでまず用件がわかるようにし、
本文の最初に用事を簡潔に書きます。挨拶や近況報告はその後です。


業務文書のレポートはタイトルと最初の三行で、結論がわかるようにし、
さらに時間があれば、その後を読んでもらうスタイルにして、
必ずA41枚で完結させました。
2ページ目以降は、資料編として、さらに興味と時間のある人が見るのです。
サラリーマンは皆忙しいので、A4以上の文章は読んではくれないのです。



この本は大いに勉強になりました。
さすがに新聞記者を30年以上やってきた方だけのことはあります。
以下に私が参考になった部分だけを例示してみます。
(本書に解説してあることは無論これだけではありません)

第一章 かかる言葉と受ける言葉
かかる言葉と受ける言葉は近いほどわかりやすい。
X 私は小林が中村が鈴木が死んだ現場にいたと証言したのかと思った。
◯ 鈴木が死んだ現場に中村がいたと小林が証言したのかと私は思った。

第二章 かかる言葉の順序
節が先で句が後。長いほうが先に来る。
X 白い横線の引かれた厚手の紙
◯ 横線の引かれた厚手の白い紙

第三章 テンやマルのうちかた
第一原則:長いかかる言葉が二つ以上あるとき、その境界にテンをうつ。
第二原則:語順が逆順の場合にテンをうつ。

第四章 漢字の使い方
漢字は多すぎても少なすぎても読みづらくなる。
漢字は「わかち書き」の機能を果たす。

第五章以下は、私にはまとめるのが難しいので、本書を読んでください。

第五章 助詞の使い方
第六章 改行を考える
第七章 無神経な文章
第八省 リズムと文体


日本の学校の試験は「◯X、択一、答えだけ書く」方式なので、
子供たちは文章を書くことが殆どありません。
フランスのように「何々について述べよ」という問題にできないのであれば、
せめて、この本に書いてあることくらいは、
中学生になったら教えても良いのではないかと私も思います。

誤解のないように再度つけ加えれば、
この本は、わかりやすい文章を書くための手引きであって、
文学的な美しい文章を書くためのものではありません。

ですから、私のブログも、この本から外れた書き方を
あえてしています。
読者にわかり易い文章ではなく、
私が楽しむための文章を書いているということですので、
あしからずご了解のほどお願い申し上げます。


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