さつまいもと一緒にこれも送って来ました。
かしわもちです。

じつは島根県ではかしわもちは柏の葉ではなく、
猿捕茨(サルトリイバラ)の葉を使っています。

これは最近デパートの食堂で流行っている、食材偽装に当たるのでしょうか。
島根県では誰もそうは思っていませんよ。
これが当たり前なのですから。
サルトリイバラ餅では言いにくいですよね。

西日本では、これを山帰来餅というところもあるそうですね。
山帰来(さんきらい)、かっこいい名前ですね。
ネットで探すと、こういう名前のカフェや宿がけっこうありますよ。
サルトリイバラの赤い実を漢方薬で山帰来と呼ぶのだそうです。
ツルウメモドキと同様生け花の材料としてもよく使われるようで、
生け花でも山帰来というようです。

(この写真はウィキペデイアから拝借)
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島根の家内の実家でつくったさつまいもが送られて来ました。

「今日のお昼はこれだけよ」
「ええー、そんな」
とは言いましたが、
たしかにこれと焙じ茶だけで十分と言えば十分ですな。
Le dejeuner d'aujourd'hui!家内はふかした芋をせっせとスライスにしています。

芋が2種類あります。左が黄色っぽいですね。

それを百円ショップで買ってきた網に入れて、干しイモにしました。

干し上がったので、冷蔵庫で保管します。
食べたい時にレンジでチーンすれば、いいおやつです。
ジャカランダ紀行を延々とやっていたので、いささか昔にさかのぼりますが、
神奈川県民としてはやはり「ざる菊」を見ないと秋が終わらないということで11月13日、南足柄市矢倉沢地区の「ざる菊」を見に行きました。
シドニーからの飛行機が予定通り飛んだので、一日余裕ができたのです。

ざる菊祭りは一週間前に終わっており、

見物客はほとんどいませんでした。

赤そばの畑は、今年は面積が広がっており、

ミツバチの巣箱が据えてありました。
赤そばの蜜はどんな味なのでしょうね。

このお宅の竜胆は今年も盛ん。でも花の盛りは過ぎてますね。

ホオズキのような野菜が大量に畑に植えられていました。

その時は名前が分からなかったのですが、後で調べると、
ヒロハフウリンホオズキ(ナス科ホオズキ属)、熱帯アメリカ原産の帰化種です。
どう見ても勝手に生えたのではなく、植えてあるという雰囲気でした。

移動して、こちらは大雄町(南足柄市)の花咲く里山のざる菊。

大雄町に来たついでに、坂道をどんどん登って、
はじめて大雄山最乗寺(曹洞宗)を訪れてみました。

車だから何でもないけれど、歩くと相当な登山になりますよ、ここは。
都内や横浜市内の講の碑がたくさんありました。
何百台も停まれる駐車場があり、大きなお寺です。

世界一大きな和合下駄??? 何だこれは。

どうもあれらしい。

これに触ると夫婦仲がよくなるのでしょうかね。

縁起を調べてみると、天狗が残した高下駄なのですが、
下駄は左右一対揃って役割をなすところから、夫婦和合の信仰が生まれて
下駄を奉納するようになったとか。
ふゆどなり 「冬隣」まわりの景色や雰囲気から、冬の近づいた気配が感じられる晩秋の頃。
[秋の季語] はしり火に茶棚のくらし冬隣/蛇笏 : デジタル大辞泉より

La porte d'hiver
「冬隣」 作詞:吉田旺/作曲:杉本眞人
♪ 写真のあなたは 若いまま
きれいな笑顔が にくらしい
あれから私は 冬隣
微笑むことさえ 忘れそう
地球の~夜更けは~ せつないよ
そこから~わたしが~ 見えますか
見えたら今すぐ すぐにでも
わたしを迎えに きてほしい ♪
私は杉本眞人の方が好きですが、
http://youtu.be/n4GJEXPidlEちあきなおみが好きな方はこちら。
http://youtu.be/L2bAqCV9pEM泣けますね、この歌。
お酒をしみじみと飲みながら聞く歌ですね。
横浜あたりは 冬隣。

我が家のそばも 冬隣。
いつもの私の朝食は、
コーヒーと食パン一切れと、淡し柿一個とゆで玉子一個なのですが、

シドニーから帰った最近は、
トーストにバターと
ベジマイト"VEGEMITE" を塗って食べています。

そうこのチョコレート色のペーストがベジマイトです。
独特な塩味と香りを持っていて、
どんな味かと聞かれれば、
パンの上にイカの塩辛を乗せたような味と言えるでしょうか。
慣れると病みつきになりますよ。
このベジマイトはオーストラリアの国民食と言われるほどで、
他にはニュージーランドでしか食べられていません。
人の好き嫌いが激しく、日本の納豆のようなものです。
私は18の年に島根から東京に出てきて生まれて初めて
納豆を食べたのですが、すぐに捕り込まれてしまいました。
シドニーに赴任して好奇心からベジマイトを食べたのですが、
やはり好きになりました。
こういうゲテモノにすぐ捕りこまれる質なようです。
ベジマイトはビールの酵母の残りかすからとれる副次産品ですが、
ビタミンB群を豊富に含む健康食品です。

ビタミンB群が欠乏すると、
仕事や勉強に集中できない、昼間に居眠りをする、疲れやすい、
肩がこる、口内炎ができやすい、などの症状が現れるそうです。
一人暮らしの老人はビタミンB群が不足するとも言われています。
(ビタミン欠乏症の詳細はWikipedia)こうした自覚症状のある人は、ネット通販でベジマイトを
買ってみたらどうでしょうか。
ビタミンB欠乏症の代表は脚気(かっけ)です。
島根県石見地方出身の有名人に森鴎外がいますが、
彼が陸軍の軍医をしていたために、
日清戦争では脚気による死者が 3,944人(戦死者は 1,132人)、
日露戦争では脚気による死者が27,800人(戦死者は106,300人)
も出たそうです。
海軍の軍医は西洋の軍隊に脚気がないことから
洋食と日本食の差によるのではないかと実験をして検証し、
海軍では、麦飯を食べさせたため、一人の脚気も出なかったとのこと。
それを知っていてもなお、森鴎外は脚気の原因は細菌だとかたくなに信じ、
陸軍の兵士には白米の銀シャリを食べさせたことから脚気が多発したのです。
(まだしも玄米を食べさせれば、米糠にはビタミンBが入っているのに)
また、鈴木梅太郎博士が米糠からビタミンB1を発見し、
脚気に効くという論文を発表した時も、
帝大農学部卒が偉そうなことを言うなと徹底的にこきおろしたそうです
(森鴎外は帝大医学部卒だったから)。
同じ石州人として悲しく残念でなりません。
ともあれ、往きも帰りも満員の飛行機で無事に日本へ帰って来ました。
日本は穏やかな日和で、干し柿もうまい具合に水気が抜けていました。

以上で14回にわたったジャカランダ紀行を終わります。
次回から、また横浜の日常を綴ってゆきます。