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光秀の定理

.27 2013 読書 comment(0) trackback(0)
つい最近読み終えた2冊の本が面白かったので紹介しよう。
IMG_2053.jpg

1.「光秀の定理(レンマ)」垣根涼介(角川書店)

この本は面白い。めっちゃ面白い。
時代小説とは言っても、
なぜ光秀が信長を殺したのかという謎解き小説ではない。
「愚息」という妖しい過去を持つ坊主と
「新九郎」という武芸兵法者と「光秀」の三人が出会って物語は進む。

坊主は街角でばくちの胴元をして生活費を稼ぐ。
ばくちとは四つの伏せた椀のひとつの下に石が入っているので
その椀を客にあてさせるというものである。
客が一つの椀に賭けると胴元の坊主は残りの三つの椀の内
石の入っていない二つの椀を開ける。
伏せたまま残るのは客の賭けた椀ともう一つの椀で、
ここで坊主は客に賭ける椀を変更してもよいというのだ。

この方式だと選択肢は二つなので勝負は五分五分のはずだが、
なぜか最後には坊主が馬鹿勝ちするのだ。
この確率論の謎解きが背景に流れてこの小説を引っ張って行く。
なぜなら、光秀がこの確率を使って最初の城攻めを成功させ、
信長に問い詰められるからである。

この小説で興味深かったのは、
信長は光秀の採用面接に二刻(四時間)もかけ、
いきなり光秀に四千五百貫(一万石相当)という
当時の木下藤吉郎の二倍の処遇を与えた理由が
説得力を持って詳しく推測されていたことである。

とにもかくにも、今まで誰も書いたことのない手法で
時代劇が出来上がっている。

垣根涼介は「午前三時のルースター」を読んで以来、
面白い作家だというのが私の評価なのだが、
改めて調べてみると読んでない作品がたくさんある。
また図書館で予約をかけまくることになろう。


2.「ユニクロ帝国の光と影」横田増生(文春文庫)

あまり服装に頓着しない私は、よくよく考えてみると
来ているもののほとんどをユニクロに頼っている。
国民の96%がユニクロで買ったことがあるというから驚きだ。
高収益を上げているユニクロでは、
執行役員が次々と辞めて行き、
大卒新人も入社後3年以内に5割近くやめていくという。

この本とそのもとになった記事が245箇所も事実と異なるとして
名誉棄損でユニクロが文芸春秋社を訴えた裁判の結果は、
2013年10月18日、東京地裁でユニクロ全面敗訴となった。
ユニクロが次々と争点を取り下げて、最終的に争点は
「国内で店長がサービス残業を含めて月300時間以上働いているか」
「中国の委託工場で深夜に及ぶ長時間労働をしいられているか」
という2点に絞られ、その結果の敗訴ということである。

この本では、ユニクロとZARA(スペイン)というライバル社
の経営も比較して紹介されているので非常に興味深かった。
少品目大量委託生産と多品目少量自社生産という
全く戦略の違う2つの会社が成功しているというのが面白い。

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