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クラブ組織

.27 2010 フランスの生活 comment(4) trackback(0)
私の出身高校が夏の県大会準決勝で敗退した。
2006年の夏の大会を最後に甲子園に出ていない。
かつて梨田監督や和田投手を輩出した母校もいまいち精彩がない。
こういう風に、夏に日本中が高校野球で盛り上がるというのは、
どう見ても日本特有の現象だ。
春夏の高校野球だけではなく、
冬のラグビー、サッカーの高校選手権も同様だ。

学校というのは地域に根差しているから、
地域対抗・お国対抗の様相を呈するからである。
学校とスポーツがこれだけ結びついている国も珍しい。

フランスの小学校では、体育・美術・音楽などは殆ど学校で教えない。
先生に任されているようである。
美術の好きな先生は、美術館に子供を連れて行き、
ある絵の前で子供たちを車座に座らせて絵の見方を解説している。
体育の好きな先生は体育の時間を設けるが、
そうでない先生は全くやらない。

日本は何でもかでも子供を画一的に育てようという教育システムになっている。
子供は全員鉄棒の逆上がりができるようにし、たて笛が吹けるようにする。
日本式に慣れた親は、フランスの教育システムに仰天する。
何といい加減なことかと。
また、逆にそれもいいねと共感する親もいる。
ただし、逆上がりもたて笛も習わないで日本に帰った子供は苦労することになる。

これを補うのが水曜日である。
フランスの子供たちは週休2.5日で、公立は水・土(半日)・日が休みで、
私立は水(半日)・土・日が休みだった。
休みであるから何をしてもよいのだが、
大抵の子供はコンセルバトワールで、絵画、音楽、バレエなどの教室に通う。
スポーツの好きな子供は、水泳、サッカー、柔道などのクラブに行く。
日本人の子供はだいたい水曜日の午後、レンヌ日本語補習校に通っていた。
こういう教室やクラブは水曜日だけではなく、放課後も土曜日もやっている。
塾に行く子はいない。

こういう風だから、学校とスポーツは結びついていない。
スポーツはクラブでやるのである。

一番多いと思われるスポーツクラブが柔道だった。
車で走って見るとわかるが、小さな田舎町でも必ずと言ってよいほど
「柔道」または「JUDO」という看板を見かけた。
日本の柔道人口が20万人に対し、
フランスの柔道人口が80万人というのもうなずける。
だから2000年のシドニーオリンピックで
ドゥイエ選手が男子100kg超級で金メダルを取れたのだろう。

フランスでは柔道に限らず、いろんなスポーツクラブがあって、
これが村、県、地方、全国という風に積み上がって組織化されている。
村の大会や県の大会での子供たちの成績は、
ウエストフランス紙などの地方紙に掲載され、
子供たちの励みになっている。
知り合いの日本人駐在員の息子さんは、日本人であるにもかかわらず、
水泳でレンヌ市の大会、イレヴィレーヌ県大会、ブルターニュ地方大会を
勝ち上がり、全国大会に出場するためパリに行くと言って喜んでいた。

こういう組織制度のほうが、
ひとつのことに秀でる子供を育てることについては、
平均的な子供を育てることに主眼を置いた日本の制度より
よさそうに思える。
特に芸術やスポーツにおいてだ。

オリンピックの金メダル数やサッカーのワールドカップで、
日本が、人口が半分しかいないフランスになかなか勝てないのも
こういうところにありそうな気がする。

それとも、高校野球に熱中するあまり、
優秀な子が野球に取られすぎるのだろうか。
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hananorikko
ほんと、日本の教育システムでは、どうしてスポーツやそのほかの専門的な情操活動分野まで学校の先生に任せちゃうようになったんでしょうか。。昔々、教員時代に何が負担だったかって言えば、放課後の部活の世話。特に、自分の専門でもなんでもないのに、週末や夏休みなどもそれに縛られ、そんな時間があったら、もっと専門の教材研究の時間とか授業の腕を磨くためのセミナーとかを先生のために確保してほしい・・・とよく思ったものです。スポーツや文化的な活動は、在籍する学校に縛られず、コミュニティーの中で各家庭の方針や個人の自由意志で参加できるようなシステムもそろそろ出てきてもいいかもですね。。。
2010.07.27 14:21
豊栄のぼる
hananorikkoさん、全くその通りだと思います。
2010.07.27 15:28
ココン
こちらの学校の授業(低学年)に音楽と絵の時間がなく、水曜日に個人的に習わなければ一生縁がない分野に終わってしまうというシステムは、国民全体の文化水準を高く持つという面で、どうかと思うのですが、、、
音痴の私が今でも童謡が歌えるのも、又筆を取って絵を描こうという気になれるのも、小学校でのイニシエーションがあったからこそだと思うのです。
でも、コメントをなさっている方の意見にも同意でき、日本の先生がいかに授業以外の雑用で、時間をとられているか知っていて、どうにかして負担を軽くしてあげることができないものかと気の毒です。

2010.07.28 07:00
豊栄のぼる
ココンさん、
私もフランス式でよいのではないかと思ってこの記事を書いたのですが、そういう意見もありますか。フランス式は親が興味なければ、それっきりですからね。

hananorikkoさんの意見もよくわかるのです。
私も企業内研修の講師をいろいろやらされましたが、講義の準備は講義の時間の何倍もかかるのですよ。会社では本業がありますから、それを自宅に持ち帰ってやるしかなかったですね。
2010.07.28 08:46

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