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アメリカ組とヨーロッパ組

.30 2010 フランスの生活 comment(4) trackback(0)
楽天とファーストリテーリング(ユニクロ)が
社内公用語を英語にするそうだ。
冗談じゃない。
日本の会社だろ、どうしてもそうしたいというのなら、
本社をアメリカ、イギリス、シンガポール、ホンコンなどの
英語圏に移したらどうなのと言いたい。

公用語は複数、たとえば日本語と英語の二本立てではだめなのか。

この複数という発想がアメリカ人にはない。

私も90年代の初め、出張でアメリカに行った時、
ワシントンからロサンゼルスまで飛行機で飛んだことがある。
さすがに横幅4000kmの国は広い。
窓の下に広大な畑と牧草地が延々と続き、途切れることがない。
あまりのでかさに、唸ってしまう。
ロッキー山脈を見た時は正直言ってほっとしたものだ。
アメリカはどこまで行ってもアメリカだ。
言葉は英語だし、通貨はドルだし、食べ物もそんなに違わない。

ヨーロッパはこうはいかない。
ベルギーやオランダなど2時間も車で走れば国を突き抜けてしまう。
しゃべる言葉が違い、食べ物が違い、使っている通貨が違う別の国に入る。
言葉と食べ物が違うということは文化が違うということである。

こうなると必然的に物事に対する考え方が違ってくるのはしょうがない。

私が勤めていた会社では、
よくアメリカ組とヨーロッパ組といういい方をしていた。
今はアジア組というのもあるかもしれない。
グループの売り上げがその当時、
アメリカ3、ヨーロッパ3、日本が2、その他2
という構成だったので、
海外駐在員もアメリカ組とヨーロッパ組に別れていた。

会社が意識的にそういう人事をしていたとは思えないが、
若い時に最初にアメリカに赴任した人は、
日本に帰って来て何年かするとまたアメリカに再赴任するのである。

若い時に最初にヨーロッパに赴任した人はどうかというと、
その後やはりヨーロッパに再赴任するか、
急速に拡大したアジアに行くケースが多かった。
アメリカに行ったという話を聞いたことがない。
どうもヨーロッパ組はアメリカには向かないらしいのだ。

アメリカ組は何でも同じシステムでやるという発想をする。
コンピューターシステムでも中央にでかいセンターマシンを置いて、
全支店を同じシステムでつないで集中コントロールするのだ。
それはできるよね。
しゃべる言葉と喰い物と通貨が同じなのだから。

アメリカにはたくさんの移民がいるが、
彼らは必死でアメリカに同化しようとしている。
日本が昔、台湾や朝鮮を併合して同化政策を進めたのとは違う。
台湾や朝鮮の人は征服され服従を強いられたのである。
アメリカの移民は違う。自らの意思で移民してきたのだから、
自らの意思でアメリカに同化しようとしている。

ヨーロッパではこうはいかない。
2時間、長くても一日車で走れば別の国に行ってしまう。
そこでは言葉と喰い物と通貨が違うのだ。
私の会社でも、アムステルダムに地域本社を置き、
システムを共通化し、共通語は英語にして、
アメリカのようにやろうとしているが、
なかなかうまくはいきませんね。
通貨だけはユーロになってだいぶ楽になったが、
イギリスはいまだにポンドに固執していうことを聞かない。
共通語を英語にしてしまうと、
結局イギリス人だけが大きな顔をしてしまう。
EC全域のモチベーションが上がってこないのだ。

私は算数の答えは一つだと思っていたのに、
中学校で二次方程式の答えが+-の二つあることを知って以来、
世の中の答えも考え方も複数あるという考えの持ち主である。
また、ヨーロッパで8年も暮らしたので、
いわゆるヨーロッパ組に属してしまった。
アメリカ組のように何でも同じ方式でぐいぐい推し進める
というやり方を好まない。

やはり、それぞれの立場と文化を尊重して、
システムは中央コンピューター方式ではなく、
分散型でそれをつなぐシステムにすべきだと考えている。

アメリカ方式はアメリカでは通用するが、
グローバルには成功しないと考える。

ナチスの人種純化政策や日本の台湾朝鮮における同化政策が失敗したように、
またソ連の人種や文化を無視した同化政策が瓦解したように、
中国の中央アジアやチベットの同化政策もいずれ崩壊すると信じている。

英語を共通語として使うのは良いが、
それだけを公用語にしてはいけない。

価値観の押しつけはいけないよ。

三木谷さんはハーバードを出ているし、
お母さんがアメリカの帰国子女らしいから、
アメリカ組だというのはわかる。

柳井さんはずっと宇部にいたのに、いつアメリカ組になったのだろう。
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Nara Promeneuse
公用語をつくるとなにかと便利なんでしょうねぇ。
日産のゴーン社長も公用語を英語にしていましたが、ルノーではどうなのでしょうか?
どうせなら公用語をフランス語にすればよかった?!

ニースからミラノにいく電車の中で知り合いになったおじさんは、工事現場の監督をしていて、いろんな国の人が働いているので、数ヶ国語が話せると言っていました。仏語・伊語に加えてアラビア語とか・・・。
欧州の人は言語に対する柔軟性が高いのでしょうか。
2010.07.30 16:07
豊栄のぼる
Nara Promeneuseさん、
フランス国内のルノーで英語が公用語になることはあり得ません。海外の工場ならあるかもしれませんが。フランスでは請求書や製品ラベルなど公式文書は必ずフランス語で表記することが法律で義務付けられています。英語だけの表記は許されません。

欧州の人の言語に対する柔軟性は全く高くありません。日本人と同じ程度です。彼らも日本と同じように学校で外国語を長い期間習うのですが、しゃべることに重点を置いた教育でないので、日本人と同じ程度に外国語がしゃべれません。イギリス人はフランス語がしゃべれないし、フランス人は英語が喋れません。
私の経験からするとオランダ人だけはお国柄か、柔軟性が高いようです。
必要がある人が必要に迫られて外国語がしゃべれるようになるのではないでしょうか。私なぞ、フランス語、英語、東京語、関西語、石見語がしゃべれますよ。
2010.07.30 17:49
ココン
文化大国として、あれだけプライドの高いフランス人も、このグローバル化した世界で、生き残る為には、背に腹は変えられないと、英語を受け入れました。
必要となれば、あれだけ軽蔑していたアングロサクソンの言語も簡単にマスターしてしまうのには感心するのですが、それは仕事面だけ、身分たちの生活の中迄入ってくるのは拒否します。
英語が世界共通語として使われるというのは、歴史の流れでそうなっただけだから、割り切って一つのツールとして見ればいいのです。
これからは、アメリカだけが世界経済のリーダーでいることはもうないでしょうけど、過去の業績で、今、自国の言葉を世界中の人がしゃべってくれると得しているわけです。
2010.07.31 05:56
豊栄のぼる
ココンさん、
そうです。割り切ってツールだと思えばよいのですが、割り切れない人をどうまとめてゆくかが問題なのです。頭から押し付けるだけではうまくゆかないんですね。
2010.07.31 09:15

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