FC2ブログ

貧困の光景

.29 2014 読書 comment(0) trackback(0)
7月27日の読売のトップ。
私も同意見です。社会保障制度が高齢者向けに偏りすぎだと思います。
20140727yomiuri00 (465x640) →→ 20140727yomiuri01 (640x483)

一世帯年間所得122万円が貧困線だそうだ。確かに月10万円ではねー。
→→20140727yomiuri02.jpg

最近、曽野綾子 (1931年生、83歳) の「貧困の光景」を読みました。
彼女は思い切ったことをずばずば言うので、
けっこうあちこちで軋轢を起こしているようですが、
この本は実体験を踏まえているので説得力ありますよ。
IMG_0101.jpg

彼女は1972年~2012年まで40年間、
「海外法人宣教者活動援助後援会(JOMAS)」の代表を務め、
その間アフリカや南米で体験したことをもとにこの随筆を書いています。

彼女は
「日本人のいう貧困は、世界標準からすれば貧困のうちに入らない」
といいます。

「貧困とは、その日、食べるものがない状態」
が曽野綾子の貧困の定義です。

(確かに、日本のホームレスはゴミ箱をあされば食べるものはありますよね
ーーー私の感想)

「日本人の(或いはアメリカ人の)考える貧困を救う方法は
あまりにも観念的で、貧しさの本質に迫りにくい。
(中略) 人間は本来、自分の人生で見たこともない状況を
想像することはできなくて当然なのである」

以下に気になったところを抜粋してみます。

マダガスカルで粉ミルクを支給した時。
①粉ミルクを入れる袋も容器も持っていない。
(日本のスーパーのレジ袋が各家庭に一枚か二枚あれば、
ものすごく便利なカバンになるのだろうなとしみじみ思いました)
②毎回体重測定をして増えていない赤ちゃんには支給しない。
そういう親は粉ミルクを市場で売り、上の子供に食べさせているのです。


「一間の小屋では、子供たちは、ごく幼い時から、両親の性生活を見て育つ。
テレビも玩具もお菓子もない生活では、快楽の匂いを帯びる唯一の変化は
セックスだけである」
「南米やアフリカの人口問題を解決する第一歩は、
貧民窟の小屋を、とにかく部屋ごとにドアのある家にすること、
そして次にテレビという夜の娯楽を皆に配布すること、という人は多い」

(日本もテレビが家庭に普及してからセックスの回数が減ったのかもしれないなあ
ーーーこれは私の感想)


「物差しや巻き尺を見たことがなければ、距離がわからない。
時計も地図も見たことがなければ、自分の家の位置を他人に説明できない」

「多くのアフリカの学校には、トイレも手洗い場もない。そういう学校では、
女の子に生理が始まると、もう学校へ行かなくなってしまう」

「アフリカでは子どもに対してエイズの検査はしないほうがいいんです、
と牧師は言う。
もし、HIVがプラスだとなると、親たちはもう子供にミルクを与えないんです。
生きる可能性のない子供に与える食事は、貧しい家庭にはないんです」

「エイズ患者から生まれた赤ん坊がHIVになるのは授乳が原因である」

「アフリカや南米では、最初から家庭に父の存在を見たことのない
子どもは珍しくない。
男女の関係は日本と比べて、よく言えば非常に自由、
悪く言えば放埓としか思えない。
それが多くの貧しい母子家庭を作っている」

「日曜日になっても、遊びに行くところも金もない。
教会へ行けば、神と出会えるし、「生の音楽」を聞ける」

「この一世紀近くの年月と,独立の刺激によって、
日本の明治維新の時のような優秀な「田舎の青年」たちが
アフリカの各地に輩出した事実も忘れてはならない。
しかし彼らのうちの多くは、シュバイツアーの時と同じように
祖国の首都はもちろん、ランバレネの村にも帰って来なかった。
現在では彼らはニューヨークやジュネーブや国連の機関などで働き、
自分が生まれた村のパパやママの暮らしには戻らない。
だから一般的なマンパワーの質はほとんど向上しないし
国造りの力にもならないのである」


「集めたお金を海外のどんな組織に渡しても、
必ず一部は(それも非常に多くの部分)盗まれる」

「世界には、悪徳大統領,悪徳閣僚,悪徳教師,悪徳医師、悪徳ケースワーカー
などが溢れているからピンハネされる機会も多い」
「日本人は昔から貧しい人が盗む、と考えてきた。
それも本当だが、貧しい人も金持ちもともに盗むというほうが正しいだろう。
金持ちや権力者は大きく盗み、貧乏人は小さく盗む、というのが違いだ。」

「大統領の月給は、高くないが、多くの大統領と名のつく人たちは
国内にも国外にも巨額の資材を蓄え、豪邸を建てる。
--(中略) -- 権力者になるということは、公然たる公金の流用の資格、
暗黙のうちに外国からの援助金を自分の懐に入れる権利を
承認されるということなのに」

「つまり為政者になるということは、国家予算を私物化して当然
と民衆が考えることなのだ」

「援助の金を確実に相手に渡すには、腹巻に入れて運ぶしかない」

本当の貧困とは我々の想定を超えていることがよくわかりました。
納得です。

関連記事
スポンサーサイト



  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://rennais.blog6.fc2.com/tb.php/1307-d003a091