権現堂堤の彼岸花

.25 2015 花(草花) comment(3) trackback(0)
シルバーウィークの間は家でじっとしていたシルバー族が動きます。
関東の彼岸花の名所として唯一残っていた
権現堂堤(埼玉県幸手市)0480-42-6221にやってきました。
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大きな駐車場が2か所ありますが、ほぼ8割の入り。
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我々と考えを同じくしたシルバー族がほとんどです。
残念なことに、混雑は避けられたものの、
あれだけよかった天気がどこかへ行ってしまいました。
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ここ権現堂堤は、 菜の花と桜の組み合わせ があまりにも有名で、
私も5年前に花見に来たことがあります。
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しかし、土手には水仙(2月)、あじさい(6月)も植えられていて、
一年を通して観光客が来るように頑張っています。
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しかし、この彼岸花という花は歴史上は不思議な花です。
稲作とともに大陸からやってきたと一般的に言われていますが、
文学や絵画工芸品に現れてくるのは、ほぼ明治になってからなのです。

万葉・古今・新古今の和歌集にも出てくることはなく、
紫式部、清少納言、吉田兼好、西行法師も見ていません。
日本中を歩き回ったはずの芭蕉すら一句も読んでいないのです。
ようやく江戸末期の蕪村の俳句に初めて出てくるのです。
また、琳派の日本画にも描かれず、浮世絵にもなく、
漆器などの工芸品にも図案化されていないのです。

この強烈な赤を見て、昔の芸術家が一言も触れていないなんて
不思議です。おかしいです。
地獄花とか死人花とかいわれて忌避されていたからだという人もいますが、
文学では京都の化野や葬式の描写もあるわけですし、
地獄絵図の中にちょっと出てきてもいいと思うのです。
それが出てこないというのは、
要するに江戸以前にはこの花は存在しなかったという方が理屈に合います。

私の勝手な推測ですが、おそらく江戸時代の後期から、
球根に毒があるからモグラが嫌うという噂が広がって、
田んぼの土手や畔に植えられたのではないでしょうか。
田んぼの水漏れはお百姓さんが一番嫌うことですから。
(実際にはモグラに対しては何の効果もないらしい)

明治以降の短歌や俳句には怒涛の如くこの花が歌われているのです。
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これは、新羽の西方寺でも見たピンク。
園芸品種で「薩摩美人」という名札が付いていました。
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これで、関東の彼岸花の名所といわれる
巾着田日向薬師小出川 とあわせて4か所を制覇しました。
これからは関東以外にも出かけてみましょう。
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堤の西の端にあった、明治天皇の行幸記念碑。
明治十年、右大臣従一位、岩倉具視の碑文がありました。
昔の偉い人は達筆だったのですね。
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お昼は、駐車場の隅にあった「かつ太郎」で熟成とんかつをいただきました。
名前を記入して一回りしてくればちょうどいいくらいの混み具合でした。
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2015.09.25 22:00
豊栄のぼる
> 万葉集には1首だけ、
>
> 「路(みち)の辺(へ)の
>   壱師(いちし)の花の
>   灼(いちしろ)く
>   人皆知りぬ わが恋ふる妻」
>   (壱師の花=彼岸花、
>    といわれる)
>    万葉集
>    柿本人麿
>    (かきのもとひとまろ)
> というのがあるそうです。インターネットからの受け売りです。

Shiggyさん、
その万葉集の歌のことはよく知っています。
「万葉花」(植物編)という本を私も持っていますが、その中にもその歌は入っています。

しかし、それはガセネタです。

偉い植物学者の牧野富太郎がイチシ(壱師)は彼岸花だといったのでそういうことになったのですが、私はそれは間違いだと思います。
万葉集4500首の中で彼岸花の歌はそれ一首だけです。
しかも柿本人麻呂の歌であれば、本歌取りで後の歌人が真似をしてもいいはずなのです。
仮にそれが彼岸花だとしても、とにかくその歌から約千年後の間、蕪村が俳句にするまでこの花は文学・文芸の世界に出てこなかったのです。おかしいでしょ。

私が徳川末期以降に彼岸花が出現したと主張するのは、
「ヒガンバナの民俗・文化誌」という論文
http://www5e.biglobe.ne.jp/~lycoris/higanbana-minzoku.bunka-1.html
に全面的に賛同するからです。
なかなか面白いので是非読んでみてください。
2015.09.26 10:16
shiggy
ありがとうございました。
2015.09.26 17:03

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