テレビで笠間市のクリの出荷が始まったというニュースを流していた。
茨城県はクリの生産量が全国一位である。
県央部の笠間市、特に合併前の岩間町と友部町は
クリ密度が非常に濃い。
私は07年~09年まで3年間を友部に住んでいたが、
至る所にクリの畑があり、常磐線の特急に乗っていると、
岩間~友部はクリの木が多いことにいやでも気づく。
私が働いていた会社も遊休地としてクリ畑を所有していた。
会社の所有地であるから、従業員に勝手にクリを採ってもいいよといってあったが、
地元の従業員はクリなぞに見向きもしない。
大体この季節、友部のビジネスホテルでは、袋に入れた栗をホールに積み上げて、
「お客様はご自由にお持ち帰りください」と書いているくらいである。
結局そこの畑でクリ拾いをするのは、親会社から出向でやってきた、
我々夫婦(横浜出身)ともうひと組の夫婦(横浜出身)くらいなものであった。
我々夫婦がクリ拾いをするのはフランスに住んでいた時以来である。ブルターニュのレンヌ市の外周環状道路の外に出ると、
そこには自然の野山がふんだんにある。
レンヌのQuai(ケ:運河川岸)の通りの郵便局の前に ” information”(観光案内所)があり、
そこでレンヌ市周辺のハイキングコースや城めぐりサイクリングコースの案内図をくれる。
秋にハイキングコースを歩くと、クリが至る所に落ちている。
大体そういうハイキングコースを歩いているのはうちの家族だけで、
フランス人と出会ったことがない。
(一度だけ馬に乗っているカップルとであったことがある。くやしい。)
だから、フランス人がクリを拾っているのを見たことがない。
わらびと一緒で、日本人の我々にはこんなに落ちているのに「もったいない」
と車に引き返して、ビニール袋をとって来て拾いまくるのである。
すぐにビニール袋2杯分くらいは拾えてしまう。
フランス人が拾わないのは、拾っても調理の仕方を知らないからではないかと思う。
冬になればフランスでも街頭で焼き芋のように砂利で焼くやりかたで、
焼き栗を売っている。また、レンヌから南に下ったところにルドンという町があるが、
ここではクリ祭りをやっており、その日は町中で焼き栗が食べられる。
また、マロングラッセという菓子は有名だが、
それ以外にクリを使ったお菓子は見たことがない。
因みに、フランス語では
クリはシャテーニュ Chataigne といい、クリの木はシャテニエ Chataignier という。
リンゴはポム Pomme なのでリンゴの木はポミエ Pommier という。
サクランボはスリーズ Cerise なので桜の木はスリズィエ Cerisier という。
簡単である。果物の名前の後に イエ
ier をつけると木の名前になるのだ。
英語では木の名前をどういう風に言うのかいまだに知らないのは、何故だろう。
英語圏の
田舎で生活したことがないから覚える必要がなかったのだ。
マロン Marron はクリではなく栃の実である。
従がって、木の名前はマロニエ Marronier である。
日本人はマロニエが栃の木であることを知らない人が多い。
昔はマロングラッセは栃の実で作ったが後にクリに置き換わったといわれている。
日本では栃木県や田舎に行くと土産物として栃餅を売っているが、
フランスでは今はトチノミは食べていないらしい。
パリで歩道に転がっているが誰も拾わない。
ブルターニュの会社のそばの農道の並木にクリの木が使われており、
やはりクリは道路に落ちっぱなしで誰も拾わない。
そのうちの3本の木に日本の丹波栗と同じように大きいクリがあるのを見つけた。
普通のフランスのクリは小ぶりなのである。
それ以来、秋のクリ拾いはそこですることに決めていた。
我が家のクリ料理は、ゆでて食卓の上にかごに入れてデーンと置いてあるのを、
勝手に食べる方式である。
これが一番手間がかからないからである。
時々は家内がせっせと包丁で皮向きをして栗ご飯にしてくれる。
こんな面倒なことをしてくれるのは、うちの家内くらいなものらしいので、
これには皆感謝している。
栗ご飯は我が家の男どもは大好きである。
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