暗号解読

.20 2016 読書 comment(2) trackback(0)
一か月ほど前に「宇宙創成」を読んで、
同じくサイモン・シンの「暗号解読」も読みたくなった。
アマゾンで検索したら2800円もする。
横浜市図書館のサイトで検索したら、なんと
山之内図書館の書架に公開中とあるではないか。
早速、ほいほいと図書館に出かけて借りてきた。
IMG_1952 (480x269)

この本は2001年発売なのだが、誰も読んだ形跡がない。
紙はきれいで、しおり紐も使った形跡がないのだ。
ややこしい暗号解説の部分は読み飛ばしても非常に面白い。

暗号なんて戦争に使うもので、私たち一般人には関係ないと
思っていたら大間違いだった。
今やインターネットの時代。
飛び交っているメールの通信の秘密が守られなければ、
私たちのプライバシーもお金も守られないのだ。
日本国憲法第21条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
②検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない

Wikileaksスノーデン文書によれば、NSA(アメリカ国家安全保障局)は
他国の首相の電話まで盗聴していたそうだ。
アメリカ政府が盗聴をしていることは有名で、ケネディ大統領や
ニクソン大統領の時からやっていると世界中が思っていたが、
これほどとはね。

NSAは常に民間暗号開発者に圧力をかけている。
結局廃案にはなったが、1991年上院で
「通信内容を政府が平文形式で取得できるよう
通信システムを設計するものとする」という
犯罪防止一括法案が提出されたことがある。
これに危機感を持ったジマーマンという暗号開発者は
PGP(Pretty Good Privacy)という、
2つの大きな素数を掛け合わせたものを公開鍵とする
暗号ソフトをネット上で公開したため、
FBIから武器の非合法輸出をした罪で、
3年間にわたって法廷闘争をし、結局FBIは訴えを取り下げた。

つい先ごろも、FBIは銃乱射事件犯人のiPhoneが読めるようにしろと
アップル社に迫ったが、同社はこれを拒否した事件があったばかり。

以下に、本書で面白かったエピソードを挙げてみる。

暗号の歴史は古く、古代ギリシャからあり、
カエサルのガリア戦記にも換字式暗号を使ったことが書いてある。

スコットランドのメアリー女王は、
フランスや反乱貴族とやり取りしていた暗号手紙が
解読されたことにより、1586年反逆罪で処刑されている。

フランスの外交官ヴィジュネルがつくった、
アルファベットを一文字ずつずらしたヴィジュネル方陣
を使った暗号が先の大戦まで使われていた。
第一次世界大戦では、ドイツの暗号は解読されていたのだが、
イギリスは戦後もこのことを秘密にしていた。
第二次世界大戦ではドイツはエニグマ機という暗号作成機を採用したが、
ポーランドのレイェフスキーがこの解読法を発見しイギリスに伝えたので、
イギリスはバッキンガムシャーのブレッチレーパークというところに
7000人の暗号解読部隊を置いて、暗号解読をしていた。
このことは戦後もずっと秘密にされ、30年後にようやく公開された。
ここで働いていたスタッフは
戦地に行かずに何をしていたのかと聞かれても答えられず、
長らく肩身の狭い思いをしていたそうである。
(日本は暗号解読にどれだけの人員を投入したのだろうか?)

暗号通信は味方でも翻訳に時間がかかるので、
アメリカ海軍はインデアンのナヴァホ族出身の通信士480人を
戦場につれてゆき、ナヴァホ語で通信をさせた。
日本軍は全くこれを解読できなかったそうである。
やはりこのことも戦後長い間秘密にされていたが、
1968年に機密扱いを解かれた。
ナヴァホ暗号は歴史上解読されなかった唯一の暗号となった。




スポンサーサイト

sakyo
サイモンシン、私も愛読してます。
フェルマーの最終定理や最近では代替医療解剖も面白いですよ!
2016.09.14 19:17
豊栄のぼる
sankyoさん、
フェルマーの最終定理は一番最初に読みました。代替医療解剖はまだ読んでいないので、さっそく図書館に予約をかけました。予約順位2位だったので、一か月以内には手に入るでしょう。コメントありがとうございました。
2016.09.15 16:45

  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://rennais.blog6.fc2.com/tb.php/1910-76645b36