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あわしがき

.26 2010 食と料理 comment(0) trackback(0)
じゃーん
ついに来ました。待ちかねていた「あわしがき」です。

家内の母が毎年島根県から送ってくれるのですが、
今年は猛暑の影響で、方や、松茸が大豊作になっているのと対極的に、
西条柿(渋柿)(注)が全滅で、田舎の柿農家は悲嘆に暮れているとのことです。
西条柿 002
ということで、今年は送れそうもない、ということだったのですが、
何とか小さい箱を一箱送ってもらったという電話がありました。

西条柿 003
箱の横に、「規格外」というスタンプが押してありました。
フランスだったら誰も気にしないでしょうが、
日本は大きさや形で商品価値が変わってしまうのです。
規格外で結構、全く問題ありません。

「10月25日以降お開け下さい」という意味は、
箱の中では柿がビニール袋の中にはいっており、同じ袋の中には
ドライアイスが入っていて二酸化炭素が詰まっているのです。
西条柿 004
この二酸化炭素によって、渋柿の渋(タンニン)を抜いてしまうのです。
この方法で渋を抜くには5日くらい必要なので、
この箱は5日前にドライアイスを入れて梱包されたのです。

柿の呼吸を妨げると、水溶性タンニンである渋が、不溶性タンニンに変わり、
人が渋さを感じなくなるとのことですが、
その原理については、このサイトをご覧ください。

ドライアイスの二酸化炭素を使う方法は最近になって開発された方法で、
これによって、渋柿の商品価値が一挙に高まりました。

私が子供のころは、渋を抜くには焼酎に漬けるか、
あるいは風呂のお湯に一晩漬けておく方法を採りました。
それ以外は、木の上で熟し柿になるのを待つか、
干し柿にして渋を抜くしかありませんでした。

柿を箱から取り出してみました。
確かに規格外だけあって、大きさはバラバラです。
西条柿 005

すでに、熟しかけたものもあるので、これは急いで食べなければなりません。
青い柿でも今すぐに食べられますが、これは後回し。

家内が早速剥いてくれました。
西条柿 007

美味しいです。実に美味しい。
関東の人は渋柿を食べないので、この美味しさは知らないでしょう。
このさっぱりした甘さ。いくらでも食べられます。
母に食べさせました。
「こがーな、うまいもんが、ほかにあろうか」
というのが母の感想です。

西日本の人は、この柿のうまさを知っていますが、
関東の人はご存じないようなので、ご参考までに解説しておきます。
これは「あわしがき」といいます。

広辞苑を引くと、
あわす「淡す、醂す」(他四・下二)柿の渋を抜く。さわす。
あわしがき「淡柿、漬柿」渋を抜いた柿。さわしがき。あわせがき。
とあります。

また同じく広辞苑に
たるがき「樽柿」空いた酒樽に渋柿をつめ、樽のアルコール分によって
渋柿を抜きとったもの。さわし柿。

関東では「たるがき」なら、聞いたことがあるという人もいるようです。

この「あわしがき」を作るにはちょっとしたコツがあり、注意が必要です。
写真のように、柿にはヘタが残っています。
ヘタの中心部(赤い矢印)のところに黒い点がありますが、
これは枝をひねって芯を抜いた跡です。
ここから二酸化炭素が入って柿の呼吸を止めるのです。
西条柿 010

これから、柿をよく洗い、
芯の上に濡れティッシュをかぶせて、そのティッシュを下にして立て
冷蔵庫に保管します。
こうすれば一ヶ月くらいはもつのです。
すでに赤くなりかけたものは早々に食べなければなりませんが、
いくらでも食べられるでしょう。

この柿や干し柿を毎日食べると、コレステロールの値が劇的に下がるので、
医者泣かせの柿といわれています。

柿が豊作の年は、柿をそのまま送ってもらい、皮をむいて
縄にぶら下げて、ベランダで干し柿を作っていましたが、
今年はそれはできそうもありません。

(注)西条柿:東広島市西条が原木地で現在は島根・鳥取両県を主産地とし、中国地方の約1000haで栽培されている、ローカル品種である。瀬戸内、九州、関西を主な市場として出荷されている。
696-0012島根県邑智郡川本町小谷52番地 TelFax 0855-72-1873 生産販売者 伊藤隆男さんより
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