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◯◯の人

.27 2010 フランス語 comment(0) trackback(0)
日本語では、国や地域に住んでいる人を表すには、
◯◯人という呼び方をする。
日本人、アメリカ人、フランス人である。
白人、黒人、外人などといういい方もある。

島根県の人は島根県人または島根県民という。

島根県人会や島根県人会館は東京にあるが
島根県民会や島根県民会館というのは島根県にしか存在しないので、

島根県人は島根県出身で今県外に住んでいる人をいい、
島根県民は今現在島根県に住んでいる人のような
ニュアンスの違いがあるが、
どちらでもいいような気もする。

「秘密のケンミンSHOW」というTV番組では、
県外に住んでいる人のこともケンミンと呼んでいるようである。
県以外の道、府、都では、北海道民、大阪府民、東京都民といい、
北海道人、大阪府人、東京都人とは言わないので、
ミンで統一したのかもしれない。

市町村区になると市民・町民・村民・区民としか言わない。

特殊な呼び方として、道産子、水戸っぽ、江戸っ子、肥後もっこす
「俺、浜っ子じゃん(横浜市民)」
などがあるが、例外的である。

日本語ですら「人」と「民」の使い方は
はっきりしたルールがあるわけではない。
しかし、日本語では、◯◯人、◯◯の人、◯◯民、◯◯の民
という表現しかないので、
人か民か、たった2種類しかないので非常に簡単である。

これがフランス語になると簡単には行かない。
「ややこしや、ややこしや」という狂言の世界になる。
フランス語の授業では教えてくれない。
現地に行って覚えるしかない。
また実際にフランスに住んでいない人には無用の知識である。

フランス語の授業で教えてくれるのは、国民の呼び方である。
日本語の○○人の語尾の人の部分が国によって違うのだ。

国名 → 国民名 で表現するとこうなる。
日 Japon → Japonais 、
仏 France → Francais 、
米 Etats-Unis(Amerique) → Americain 、
加 Canada → Canadien、
英 Angleterre → Anglais、
独 Allemagne → Allemend、
伊 Italie → Italien、
中 Chine → Chinois、

なんじゃこれは、一体どういう規則になっているんだ、
と聞いてもしょうがない。
フランス人はこういうのだ。(英語でも似たようなものである)

国民名でもこれだけややこしいのだが、
フランスでは住んでいる町によって呼び方が違うのだ。
日本語のように「函館のひと」「新潟のひと」というわけにはいかない。

ブルターニュBretagne に住んで最初に覚えるのが
Breton(ブルトン:ブルターニュ出身の人)という単語である。

パリParis の人は パリジャンParisiens か、これは誰でも知っているな。

次に覚えるのがレンヌ Rennes の人は
レネ、レネーズRennais(男) ,Rennaise(女)である。

「えー? 
町ごとに住む人の呼び名があるわけ?」


「じゃあ、リフレ Liffre の人は?」
と会社のフランス人に聞くと
「 リフレンLiffreen 」と答える。
「オララ、規則はないのか」
フランス人は答える。
「セ・トレ・コンプリケ(とてもややこしいですよ)」
彼は面白がっていろいろ教えてくれた。

マルセーユMarseille の人は、
マルセイエ、マルセイエーズMarseillais, Marseillaiseという。
ラ・マルセイエーズというのはフランスの国歌だね。
リヨンLyon の人はリヨネ、リヨネーズ Lyonnais, Lyonnaise という。

「お、だんだんわかってきたぞ」

「いやいや、そんなもんじゃないですよ。ルマンの人は何というでしょう」

Le Mans という町はレンヌの東150kmのところにある街で、
ルマン耐久24時間レースが6月にあるので、日本でも有名だ。
ルマンと発音しても通ぜず、ルモ~ンと鼻に抜かなければ通じない。

Le Mans の人は モンソー、モンセルManceau, Mancelle といいます」
「なんだよ、それは。Le が抜けるのかよ。わけがわからんな」

「まだまだ、ありますよ。ボルドーBordeax の人はボルドレ Bordelais です」
「サッカーチームがそういう名前だったね」

「さらにすごいのが、
シャトーChateau(城) がカステル Castel(城) に変わる例があります」
「?????」
Rennes の近くにシャトーブリオン Chateaubriant という町がありますが、
ここの人はカステルブリオンテ Castelbriantais といいます。
Chateau が Castel に変わるのです」

「やはり コンブルグCombourg という町が近くにありますが、
ブルグbourg というのはやはり城とか砦を意味しています。
Combourg の人はコンブルジョワ Combourgeois といいます」

「なんだよ、ブルグの人はブルジョワか、金持ちなんだな」

「では最後に、シャトーブルグChateaubourg の人はなんというでしょう」
「そりゃわかるよ。 ChateauCastel で、
bourg が bourgeois だから
カステルブルジョワCastelbourgeois だ」
「大当たり」

というわけで、臨時のフランス語講座は終わった。
これでウエスト・フランスという地方新聞がだいぶ読みやすくなった。

そのうちレストランのメニューが読めるようになると知識は増えてくる。
◯◯人は風の、◯◯産の、◯◯の、という意味にもなるからである。

ディジョネDijonnais はディジョン風だから辛子ソースがついているなとか、
ニーソワNicois はニース風だから、オリーブかアンチョビーが入っているなとか、
ブルギニョンBourguignon はブルゴーニュ風で油であげるやつかな
とかわかるようになる。

こういう風に会社のフランス人が教えてくれたからいいようなものの、
フランス語の辞書を引いてもこういうことは載っていない。
地名まで載せたら、ページ数が足りなくなるからだ。

今から20年前はそれだけの知識だったが、
今回この記事を書くに当たって、Wikipedia を調べてみた。
さすがですね、ありましたね。

日本語版「住民の呼称」→ フランス語版 Gentile → 英語版 Demonym
例の豊栄流簡単仏訳法でいくらでも調べられる。
街の名前を入れて、その町の ジョンティレ Gentile を調べればよいのだ。
ちなみに、Gentile という単語は私の旺文社ROYAL辞典には載っていない。
Wikipedia の記事にあるように1997年以降の新しい概念のようである。

面白いのを発見した。
カルナックCarnac → Carnacois 、アミアンAmiensAmiennois
アルルArles → ArlesienシャモニーChamonixChamoniards 
はかわいいとしても、

モンサンミッシェルLe Mont-Saint-Michel →モントワ Montois

サンマロSaint-Malo →モルーアン Molouin は、うーんと唸ってしまうし、

サンテティエンヌSaint-Etienne → ステファノアStephanois
は駄洒落としか思えないし、

トゥールTours → トゥランジョー、トゥランジェルTourangeaux Tourangelles 
にいたっては、堪忍してといいたい。

日本でも シロガネーゼ (カネがねーぜ) といっているが、
案外本当のフランス語だといってもいいのかもしれない。
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