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松尾芭蕉この一句

.30 2011 読書 comment(0) trackback(0)
図書館で面白い本を見つけた。
本屋でお金を出しては買う気はしないが、
図書館だと借りてきてちょっと読んでみようかという気になる。

松尾芭蕉この一句
 現役俳人の投票による上位157作品
 有馬朗人・宇多喜代子 監修
 柳川彰治 編著 2009年11月発行 平凡社

全国312人の現役俳人に投票させ、
この一句(3点)、そのほか次点10句(1点)を選ばせて、
その集計結果と投票した俳人の観賞文をつけて本にしたものである。

本では順位の一番低い句から載せていて、
上位の句を推理するようになっているが、
そんなに気の長い人はいないだろうと思う。

私のように、まず最後のほうを読み、一位の句は何かを確認し、
10位くらいまでをざっと見て、
それから最初のページに戻るのが普通ではなかろうか。

著者の意図には反するが、一位から並べるとこうなる。
(みんな忙しいのだから)

1位  荒海や佐渡に横たう天の河     258点
2位  閑さや岩にしみ入る蝉の声     243点
3位  夏草や兵どもが夢の跡       206点
4位  旅に病んで夢は枯野をかけ廻る   184点
5位  五月雨を集めて早し最上川     106点

ここまでは「知ってる、知ってる、なるほど」だったのだが、
6位から9位の4つの句を私は知らなかった。

6位  海暮れて鴨の声ほのかに白し    95点
7位  この道や行く人なしに秋の暮    94点
8位  石山の石より白し秋の風      78点
9位  五月雨の降り残してや光堂     74点

10位になってまた私の知っている句に出あう。

10位  秋深き隣は何をする人ぞ      73点

以下は10位以下で、私が知っている句を並べてみた。

13位 古池や蛙飛び込む水の音     70点
14位 行く春を近江の人と惜しみける   70点

15位 さまざまな事思い出す桜かな    69点

解説にもあった。老人会の句会で、「桜かな」を
「花火かな」「紅葉かな」に置き換えた句がよく出てくるという。
芭蕉も罪作りな句を作ったものだと。
人生の全てはこの一句に尽きる、とまで言う評者もいた。

18位 行く春や鳥啼き魚の目は泪     63点
20位 山路来て何やらゆかしすみれ草   59点
22位 旅人とわが名呼ばれん初時雨    57点
25位 一家に遊女も寝たり萩と月     47点
32位 無残やな甲の下のきりぎりす    33点
37位 草の戸も住み替わる代ぞ雛の家   24点
38位 初時雨猿も小蓑を欲しげなり    23点
40位 名月や池をめぐりて夜もすがら   22点
42位 花の雲鐘は上野か浅草か      22点
47位 物言えば唇寒し秋の風       17点
58位 蚤虱馬の尿する枕もと       13点
64位 秋近き心の寄るや四畳半      10点
78位 枯枝に烏の止まりけり秋の暮     7点

これは私は知らなかったが、今回いいなと思った句。

166位 秋海堂西瓜の色に咲きにけり   2点

ところが、

松島やああ松島や松島や

という句は、結局出てこなかった。
読み飛ばしたのかなと思い、巻末の索引を探したがやはりない。

ネットで検索したらWikipediaにこう書いてあった。
「松島やああ松島や松島や」は、
かつては芭蕉の作とされてきたが記録には残されておらず、
近年この句は江戸時代後期の狂歌師・田原坊の作ではないかと考えられている。

なあんだそうだったのか。
昔、学校で習って、これなら簡単と言って皆が真似した句で
誰でも覚えている句だったのに。
残念。


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