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魔法の言葉スィルヴプレ

.04 2010 フランス語 comment(0) trackback(0)
 赴任する前に日本で少しフランス語を習った時、
先生はいろんな言い回しを教えてくれた。
もちろん、きちんとしたフランス語をしゃべるためには
当然そういう言い回しが使いこなせなければならない。
しかし、そうなるまでには相当の時間がかかるし、
その通りしゃべっても、発音が悪くて結局相手に通じず、
「パーフドン?」と聞き返されてがっかりすることもしばしばである。

ためしに、フランスの旅行ガイドブックを開いてごらんになればよい。
ホテルでの会話、おなかが痛くなったときの頼み方、
レストランでの会話、買い物の仕方と、いろいろと親切にたくさんの文例が載っている。
でもフランスをこれから観光旅行しようとする人が、この通りしゃべれるわけがない。
こんなに上手に喋れるのはフランス語学科でも出た人でないと無理だよね、と言いたい。

私は、初めてフランスに来る人、旅行だけの人、来たばかりの人には、

“ S'il vous plait ! ”  スィルヴプレ

を使いなさいと教えることにしている。

私が、この言葉の本当の使い方を知ったのは、
部下のフランス人課長と仕事で、
フランス中央部のイスーダンという町に車で行くときのことだった。
シャトールーという街中の交差点に赤信号で止まった時、
運転していた課長は、ウインドウを開け、隣の車に向かって、
「イスーダン、スィルヴプレ!」
と叫んだ。
隣の運転手が何か大声でくちゃくちゃと言ったら、
課長は「ダコー、メルシー、ムッシュー(わかりました、ありがとう)」と返した。

なるほど、なるほど。
シチュエーションさえはっきりしていれば、

「名詞(ゆく先)+ スィルヴプレ」で道が聞けるのか。

どのように、どこへ、どの道をなどと言い、教えてください、
などと余分なことを言わなくてもいいではないか、
ということをその時初めて悟ったのである。

うれしくなった私は、しばらくはスィルヴプレを乱発しましたね。

タクシーに乗った時は
「ギャール・ド・モンパルナス、スィルヴプレ」(モンパルナス駅、お願いします)
「オテル・モンタボール、スィルヴプレ」(ホテル・モンタボール、お願いします)
一発である。

町中で道を聞くときも、
「プラス・ド・コンコルド、スィルヴプレ」(コンコルド広場、教えてください)
一発である。

ホテルでも、
「チェックアウト、スィルヴプレ」(チェックアウト、お願いします)(英語とちゃんぽん)

レストランやバーでは
「アン・キャッフェ、スィルヴプレ」(コーヒー、ください)
「ユヌ・ビエール、スィルヴプレ」(ビール、ください)
「トワレット、スィルヴプレ」(お手洗い、どこですか)

やはり一発で通じる。ハリー・ポッターの呪文より効き目がある。

頭の名詞の部分が、英語であろうが、冠詞がついていようがいまいが、構いはしない。
「自分の欲しいもの(名詞、地名)+ スィルヴプレ」で大抵の用事は事足りる。


ぜひ、お試しあれ。ただし、本当にフランス語がうまくなりたい人にはお勧めしない。

これに味をしめた私は、

イギリスやドイツから北のヨーロッパでは、
「英語の名詞 + プリーズ」一辺倒で通したし、

イタリアでは
「フランス語(時々英語)の名詞 + ペルファヴォーレ

スペインでは
「フランス語(時々英語)の名詞 + ポルファヴォール

で、旅行を無事済ませることができた。
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