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たのしみは・・・

.10 2012 読書 comment(0) trackback(0)
「たのしみは 朝おきいでて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時」 橘曙覧
近所の秋 006
« Ce qui est heureux, c’est de trouver au matin une nouvelle fleur qui n’etait pas la hier »

これは 橘曙覧(たちばなのあけみ) という幕末の国学者の歌です。

世に埋もれていたのですが、明治になって、正岡子規が
「趣味を自然に求め、手段を写実にとりし歌、前に万葉あり後に曙覧あるのみ。
土佐貫之は歌が下手。源実朝以降では歌人といえるのは彼一人だ」
と褒めちぎったため、脚光を浴びました。

その後また忘れられていたのですが、
1994年、今上天皇、皇后がアメリカを訪問された折、
ビル・クリントン大統領が歓迎の挨拶の中で、
この歌を引用して「日米の間に新しい花が咲いた」と
スピーチをしたことで、
その名と歌は再び脚光を浴びることになったのです。

以上は、昨日の朝のNHKラジオ「すっぴん」の
高橋源一郎の受け売りです。

影響されやすい私は、早速本屋に飛んで

岩波文庫「橘曙覧全歌集」 1134円

を買って来ました。

その本の178頁から186頁にかけて
『独楽吟(どくらくぎん)』という章があります。
「たのしみは・・・」で始まる52首の歌を集めたものです。

素晴らしい。
「そう、そう、そう」と頷くものばかり。

この文庫本を開いている時の私の気持ち。

たのしみは 尋常ならぬ 書に絵に うちひろげつつ 見もてゆく時


その他にも、

たのしみは 心をおかぬ 友どちと 笑ひ語りて 腹をよる時

たのしみは 妻子(めこ)むつまじく うちつどいひ 頭ならべて 物を食ふ時

たのしみは 空暖かに うち晴れし 春秋の日に 出でありく時

たのしみは いやなる人の 来たりしが 長くもをらで かへりけるとき


また、よほど貧しかったと見えて、

たのしみは あき米櫃に 米いでき 今ひと月は よしといふとき

たのしみは 銭なくなりて 詫びをるに 人の来たりて 銭くれし時


写していると切りがないのですが、
とにかく面白い本を見つけました。
しばらく楽しめそうです。
ラジオも時々いい事を教えてくれます。


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