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日本人と眼鏡

.08 2010 日本人 comment(2) trackback(0)
海外で「首からカメラを提げ、眼鏡をかけて、魚臭かったら日本人だ」
とよく言われる。
フランスに住んで、確かにそうだと実感した。

ブルターニュの会社での会議の時、
日本人が4人でフランス人が8人いる場合、
日本人は全員眼鏡をかけているが、フランス人は一人もかけていない。
「なぜだろう。日本人は人種的に近視になりやすいのかね」
「日本人はテレビの見すぎかもしれんな」
駐在員の間で議論していたが結論は出なかった。

日光に対しては、黒目の日本人が強い。
フランス人はすぐ眩しがり、サングラスをかける。
会議室でも彼らは外からの光が入っていれば蛍光灯をつけようとはしない。
「なぜ灯をつけないんだ」
「なぜつける必要があるのか、十分見えるじゃないか」
どうも単に電気代を節約するという理由だけではなさそうだ。

日本では、机の上の照度が何ルックス以上必要と
労働基準法や文部科学省の通達で決まっている。
そうしないと視力が落ちるということになっている。
しかし、私は、これは実証されたことではないのではないかと
フランスに来てから疑い始めた。

昔は、日本の食事はだめだ、肉や乳製品をもっと摂取する必要がある、
とお役所が言っていたが、
今では、洋食は太りすぎるから、給食でもっと米を食べるべきだ、
と変わっているのと、同じことではないかと疑っている。

フランスに赴任してきて最初に通ったブザンソンの語学学校で、
薄暗いまま灯をつけずに授業を受けた時は本当に驚いた。
誰も灯をつけようとは言い出さないし、先生も何も言わない。
私が最初に教室に入って灯をつけた時など、
後から入ってきた生徒が消すのである。
フランス語の授業であるから、先生以外にフランス人はいない。
ということは日本人だけがやたらと明るさを欲しがるということらしい。
・      (注)4月4日の記事「ブザンソンの憂鬱」参照。
・       (独2、伊4、レバノン2、ブラジル1、台湾2、韓1、日2)
同じクラスにはもう一人日本人の若い女性がいたが、
彼女も同じ疑問を持っていた。

とにかく、私の会社には日本人駐在員が20人ほどいたが、
眼鏡をかけていないのは2~3人であった。
フランス人従業員は日本人はなぜこんなに眼鏡をかけているのかと
いぶかっていたようである。

フランスでは眼鏡の購入に保険が効く。信じられないことである。
日本で眼鏡に医療保険が効いたら保険組合はすぐにパンクするに違いない。
フランスでは近視は病気だと考えられているのである。
もちろん、検眼は眼科医でしかしてくれない。
検査結果を処方箋にしてメガネ屋に持っていくのである。
眼科医での検査というと、
例の昔ながらの眼鏡の枠にいろんなレンズを差し込んで調べる方式で、
日本の眼鏡スーパーのように自動化された機械があるわけではない。
私も8年間の赴任の間に2度眼鏡を作り替えたが、どちらも保険でカバーされた。

会社で課を新設した時、3人を他の部門から引っこ抜いてきた。
20年前の当時パソコンはまだ殆どなかったが、
仕事の必要上この3人には一人1台パソコンを与えた。
当初この3人のフランス人は眼鏡をかけていなかったが、
一年ほどしたら全員が眼鏡をかけるようになった。
眼鏡には保険がきくからクレームがなかったのだと思うが、
彼らにはすまないことをしたと思う。

私が帰任する96年ころには、まだ課長クラスにしかパソコンを
与えていなかったが、その後全員に行き渡ったであろうから、
今ではフランス人でも眼鏡の割合が相当増えたに違いない。


(追伸)
昔はこういうことを調べるのは大変なことでしたが、
今はネットで簡単に調べることができるようになったので、トライしてみました。

(1)日本の法律関係

労働安全衛生規則604条(照度)によると、
精密な作業は300ルックス以上、普通の作業は150ルックス以上、粗な作業は70ルックス以上
の照度を必要とし、

さらに、事務所衛生基準規則第十条の2によれば
照明は、明暗の対照が著しくなく、かつ眩しくないようにすること、
となっていました。

また、VDT作業(パソコンなどの入力など)のための労働衛生上の指針というのがあり、
これは法律ではなく労働省通達による指導ですが、これによると、
陰画表示のディスプレイでは、ディスプレイ画面における照度は500ルックス以下、
書類およびキーボード面における照度は300ルックスからおおむね1000ルックスまでとすること、
となっています。

他方、文部科学省の「学校環境衛生基準」では、
2004年改正により照度がさらに引き上げられ、
机の上の照度は500ルックス以上が望ましく、下限でも300ルックス、
となっていました。

日本企業の生産現場ではどこでも「明るい工場」を基本方針としています。
これは、近視になるとかならないということではなく、
「労災が起きにくい」
「汚いところがすぐ目につく」
「ゴミや部品が落ちていればすぐわかる」
という安全や品質の観点から明るさを重視しているわけで、
これで“Made in Japan”というブランドを守っているわけです。

(2)日本人の眼鏡保有率は80%でした。

http://www.dims.ne.jp/timelyresearch/2006/060411/index.html
ネットサーチによると、50代と60代はもっと割合が高いのですが、
老眼の影響が考えられるため、20代30代40代を平均してみると、
80%の人が眼鏡を持っていました。
私の推測と大体あっていました。

(3)明るさと近視の因果関係
これについては、2009年8月7日付け「ひとと住環境研究会調査報告書」
http://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/press/hitotojyukankyo.pdf
という素晴らしいレポートを発見しました。

結論から言うと、暗さと近視の因果関係はなく、
近視の原因は眩しさにあるということでした。

また、フランス式の間接照明も目によいそうです。

全84ページのうち関係ある53ページを抜粋すると次のようです。

⑨目にとって悪いのは、実は暗さではなく眩しさ。
 ・「光を少なくして部屋を暗くすると目が悪くなる」と思われがちですが、
今のところ、暗いところで本を読むと目が悪くなるというデータは存在しません。
多くの眼科医が暗いところで本を読むことと、視力低下に因果関係はないと
言っています。
 ・目にダメージを与えるものの大きな原因の一つは眩しさです。
眩しいものを見ると、自然に目を細めたり、瞳孔が開いた状態になってしまい、
水晶のコントロール力が低下、近視の原因になると言われています。
 ・慣れてしまって気づいていませんが、
例えば照明器具(ダウンライトの多用)やテレビなど、
現代の住宅は眩しい部分が多くなっています。

例えば照明器具。
ソファーに座った位置や子供の目線からはダウンライトの眩しい光源まで見えてしまう。
気付かないうちに眩しい光を見続けていることに…。

例えばテレビ。
最近のテレビはとても強い光が出る。ゴロゴロしてテレビを見ると、
眩しいのに目を開いてみてしまい、益々、目に強いダメージが…。

(4)信じている日本人
教室が暗いと子供の目が悪くなると信じている日本人は多いようです。
ネット検索している過程で、省エネのために消灯する先生を、
強烈に批判している親のブログを発見しました。
先生も大変ですね。
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セシリア
お国変われば・・で、面白いですねぇ。電気、着けるのが当たり前と思ってました、学校や職場では。なるほど、日本人の黒目は光りに強い。そうかも知れないですね!サングラスなんて、心から欲しいと思うわけでなく、ファッションとして使う物と認識してました。
子供の頃親から「暗いところで本を読むと、目が悪くなる」と言われたものですが、最近では、明るさは関係ないとわかったと、TVで知って、びっくりしたものですが、この記事を読むと、確かになーと思いました。日本人=めがね・・・細かい作業も得意だし、何しろ勤勉。そういった事も関係するんですかね?そんな私も目は悪く(0・06と、視力検査の1番上も、どうかすると理解不能)、コンタクトレンズを愛用しています。勉強はしませんでしたが^^;
2010.06.09 06:41
豊栄のぼる
日本は照明が直接目に入りやすい位置にあるようです。
寝転がってテレビを見るのもよくないようですね。
フランス式の間接照明がよいようです。
でも最近はゲームをやる子が多いですから、それだけでだめでしょうね。
ブログも目にはよくないでしょう。
2010.06.09 10:27

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