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フランス人と英語

.26 2010 日本人 comment(4) trackback(0)
「フランス人は英語をしゃべらないそうですね」
という質問をよく受けた。

私がフランス帰りであることを知ると、
必ずこういう質問が出る。
帰国した最初の職場での歓迎会でまず出ましたね。
誰かがこういうことを言いふらしているのでしょうね。
それと、アメリカにたてつくフランスというイメージ、
フランス人はプライドが高いというイメージと重なって、
いつの間にか日本でこれは定着しているらしい。

しかし不思議なことに、
ブルターニュの私の工場とパリの販売会社の
日本人駐在員仲間の誰も
こんなことを思ったことがないのである。

日本の企業によっては、
どこの国に行っても英語でオペレーションをすると
割り切っている企業もあり、そういう企業は
英語がしゃべれるスタッフを募集することになる。
こういう企業の人はフランス人が英語をしゃべれるかどうかという
質問に答えられるかもしれない。

ところが、私の会社は郷に入っては郷に従え、
それが貿易摩擦を回避する道、という考え方なので、
フランスではフランス語、ドイツではドイツ語で
オペレーションをするという風だった。

また、日本語で一人前に仕事ができれば、海外でもできるだろう、
言葉は行ってから覚えればよい、という乱暴な会社だった。
銀行さんのように2年間まず語学研修をやってから
などというほどメーカーさんは余裕がなかったのである。

であるから、フランスに送り込まれる人材は、
大学の仏文科をでたフランス語ぺらぺらの人か、
英語もろくにしゃべれないやつかどちらかであった。

どちらのタイプもフランス語しかしゃべったことがないので、
つまるところは英語で話しかけたことがないので、
フランス人が英語をしゃべるとかしゃべれないとか
考えてみたこともなかったのである。

従がって、私が日本に帰国して、
「フランス人は英語をしゃべらないそうですね」
という質問を受けた時は、
「さー、どうなんでしょう。よくわかりませんね」
という答えしかできず、質問者を失望させたものだ。

相手は「そうなんですよー、・・・」
という答えを期待していたはずなのだ。

その後私はオーストラリアのシドニーに赴任して、
初めてこの質問に答えられるような気がしてきた。

もともと私は英語が得意でなく、
しかも8年間のフランス暮らしで頭の中はフランス語で占拠されており、
数字ですら出てこないのだ。
「99ってなんだっけ、キャトルヴァンディズヌフじゃない、
えーと、そうそうナインティナイン」という具合だった。

いかに私の英語がへたくそで発音が悪く通じないか
ということを身にしみて感じたのである。

なんとかシドニーでのお勤めを終えて日本に帰って来てから、
「フランス人は英語をしゃべらないそうですね」
という質問を受けた時は、こう聞き返してみました。

「アメリカに行かれたことはありますか?」(私)
「一週間の旅行で行ったことがありますよ」(相手)
「そのとき英語は通じましたか?」(私)
「ダメだったですね。帰りの飛行機の中で、コーラをくれと
言ったら水が出てきてがっかりしましたよ」(相手)
「それはコーラがワラに聞こえたのでしょうね」(私)

そこで私は、こう答えました。

フランスで英語をしゃべって通じなかった人というのは、
おそらくフランス人にとって
それが英語に聞こえなかったのではないでしょうか。
日本人は英語をしゃべる時でも、
「えーっと」とか「なんだっけ」とか合いの手が入るので、
こうなるとこれが英語に聞こえなくなるんですよ。
「アーム」とか「ウェルウェル」とか「ユーノウ」とかが
入るなら別ですがね。

それと、フランス人も日本人と同じ程度に
英語がしゃべれないんですよ。
日本で道を歩いていて、ガイジンに英語で道を聞かれたら、
大抵の人が逃げますよね、あれと一緒です。

いかがでしょうか私の答えは。
最初の部分の答えはちょっと生意気で失礼ですから、
相手を見て、笑ってくれるような人にしましょう。
普通は後の部分の答えが適当ですかね。

たぶん本当に英語の喋れる日本人は、
フランスでも苦労はしていないはずですね。

英語がしゃべれると中途半端に自信を持っている人が怖い。


追伸:同じテーマのブログがありましたのでご参考まで。
エスカルゴの国から
http://otium.blog96.fc2.com/blog-entry-441.html
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須磨の関守
ミッテラン政権になってからの国策としてフランス人も英語を話さないと国際競争力がなくなるといって学校教育の場でも英語が重視されるようになり、私が2回目にフランスに出向したときは、TGVで隣り合わせた人から英語で話しかけられることが多くなったように思いました。私が勤めたフランスの会社では会議は英語でしたが会議以外の場ではフランス語が主流でした。で、私がフランス人の工場長にフランス語で話しかけると彼は英語で答えるという奇妙な会話が帰国までつづきました。私のフランス語の理解力を疑っていたのか下手なフランス語を聞きたくなかったのか自分は英語がきちんと使えることを誇りたかったのかは確認していませんが、フランス語をこよなく愛すフランス人として下手なフランス語をききたくなかったのかも知れませんね。
 イギリスに赴任したとき私がフランスで働いたことがあるというと、実は自分は学校でフランス語をならったがフランス語は話せないと謙虚にいっていた。アメリカ人でもフランス語を学校で選択したが話せない人が多いのも事実。「フランス人は英語をしゃべらない」のではなく「しゃべれない」が正しい理解ではないかと思います。英語でも仏語でもトツトツであれ話が通じると私はうれしいく感じますから、「しゃべれるのにしゃべらない」ということは考えにくい。
 万人にとって母国語以外は語学に対する良い資質と努力か切羽詰まった事情がないと身に付かないということと切り捨ています。
2010.06.26 07:40
豊栄のぼる
須磨の関守さん、
コメントありがとうございました。
要するに「しゃべらないのではなく、しゃべれない」ということがよくわかりました。
2010.06.26 09:55
セシリア
まさに、私も、そう思ってました。フランス人は、英語は話さないと。
でも、どなたかの本を読んで、納得したんですよ。日本人だって英語が得意な人とそうでない人がいるように、フランス人も同じで、答えないのではなく、分からない場合があるという事。聞き取れない、意味が分からないから、フランス語で聞き返してくるのでは?と。
納得しました。
初めて、ネイティブなフランス人の先生と話してみて、フランス語を聞き取るのの難しさを体験しました。
フランス人が、冷たい人種でないらしいと分かってよかったです。
2010.06.27 11:39
豊栄のぼる
セシリアさん、
フランス人は冷たくはないですよ。
耳ができるまでは時間がかかりますので、気長にやりましょう。
私でも3年かかりましたので。
2010.06.27 20:02

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