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秒速と時速

.29 2010 フランスの自然 comment(4) trackback(0)
急に寒くなって12月の気温になったと思ったら、
今度は台風だ。
台風14号が沖縄に近付いている。
皆が心配しているのが最近の大雨で被災した奄美大島である。

沖縄の那覇市内で秒速34.8mを記録したという。
台風の周辺では秒速40m、中心では秒速60mの風が吹くとのこと。
民放テレビでレポーターが沖縄の風の中に立って、その凄さを報告している。

この秒速何mという表現で風の速さがどのくらいか、
日本の人はわかるのだろうか。
うちの家内は、こういうニュースを聞くたびに、
「フランスのように時速何kmといってくれないかしら。
秒速だとどのくらいの早さか分からないじゃない」
といつもいう。

フランスでは、テレビの天気予報(Meteo メテオ)では、
風速を時速何kmと説明していた。
時速で言われると車のスピードと比較して容易に理解できるのである。
我が家もブルターニュ滞在中の8年間で22万km走ったので、
車のスピード感覚は身についているのである。

秒速を時速に直すには、
60秒 x 60分 ÷ 1000m = 3.6 km 
を秒速に掛ければよい。
我が家では大体時速に直す癖が付いているので、
4倍して1割減らすか、ケータイを持ち出して計算する。

秒速34.8m x 3.6 は時速125kmである。

秒速40mは時速144km。
フランスで高速道路を走っているときのスピードだ。
これなら家内は理解できるというのである。

私より3カ月遅れで家族が赴任してきた時、
私はレンヌからシャルルドゴールまで車で迎えに行った。
私が高速道路を140~150kmで走ったら、
家内はわめいた。
「制限スピードはいくらなの?130km。
なんでこんなにスピードを出すの。130で走ればいいじゃない」

半年くらい経ってパリへ日本食材の買い出しに行く時、
彼女に運転させると、バンバン追い抜いてゆく。
「もっとゆっくり走ればいいじゃないか(冷やかしで)」
「何言ってるのよ。これくらいで走らないと3時間半では着かないわよ」

1秒間に40m移動すると想像するか、
時速144kmで車で走ると想像するか、
どちらが理解しやすいだろうか。

きのこ狩り

.30 2010 フランスの自然 comment(4) trackback(0)
横浜駅の西口で待ち合わせをしているときに、時間に余裕があったので、
ジョイナスの商店街をぶらぶらと歩いてみた。
ご進物専用の果物屋で、松茸を見た。
matsutake.jpg
国産は今年は猛暑で不作と聞いていたが、これはカナダ産。
でも一籠3150円。隣に韓国産があったがこれは4200円。
我が家はだいぶ前に、スーパーで中国産2本500円というパックを
見つけて、炊き込みご飯にして、かろうじて秋を味わっただけである。

フランス人はクリ拾いはしないのだが、きのこ狩りは大好きである。

秋のこの季節になると、ゴルフ場で前の組がコースの中に
シャリオ(手引きカート)を置きっぱなしにして
森の中からなかなか出てこないことがある。
ボール探しに手間取っているなと待っていると、
茂みから人が出てきて、手を振り、先に行けという合図をする。
追い抜くときに見ると、ボールを探しているのではなく、
きのこを探しているのだ。
何だ、いい加減にしろと言いたいが、
スコアが悪くなると、きのこに興味が移るのは人情かもしれない。

秋の休日にレンヌの森に行くと、手に籠を抱えた人が
あちこちできのこを探している。

レンヌの森は町の北東にあり、直径が5~10kmあって、自然公園のようになっている。
この地図の E03 の上の暗緑色の部分である。
レンヌの森 007

我が家も子供達を連れて時々ピクニックに行くのだが、
その主たる目的は自転車の練習であった。
森の中には縦横に散歩用の直線道路が走っており、
この道は自動車進入禁止なので、子供たちが自転車の練習をするのにちょうどよいのだ。
車のトランクに子供用自転車を2台積んで行ったものだ。

子供たちが自転車に乗っている間に、
親のフランス人は結構真剣にきのこを探している。

フランスでは、きのこを採った後、薬局に持っていくと、
薬剤師のお姉さんが、無料で、食べられるきのこと毒きのこを区分けしてくれる。
ある日本人が籠いっぱいのきのこを持って行ったところ、
そのうちたった一本だけが食べられるといわれ、後は全部捨てるように言われたそうだ。
こういう話を先輩駐在員から聞いているので、
日本人は、はなからあきらめて、きのこ採りをしようとは思わないのだ。
フランスではきのこの見分けができないと薬剤師になれないそうだ。

girolle ou chanterelle Bordeaux Cepe morille.jpg
ジロール(またはシャントレル)  ------- セップ -------- モリーユ
(注)キノコの写真の出典は全てWikipedia

レンヌあたりではわりと簡単に採れるのが、ジロールとかシャントレルといわれる
アンズタケの種類らしいが、似たようなきのこも多いのでむずかしい。

一番値段の高いきのこがセップと呼ばれるもので、
日本の松茸のように珍重されている。
シーズンになるとテレビにセップ採りの名人が出てくる。

私が大好きなのがモリーユと呼ばれるアミガサタケ。
肉料理で「○○のモリーユ添え」などと書いてあるとすぐに注文してしまう。
ソースが傘の部分にしみてとても美味しい。

もう一度フランスに行って、モリーユが食べたいと思う。

くりひろい

.28 2010 フランスの自然 comment(4) trackback(0)
テレビで笠間市のクリの出荷が始まったというニュースを流していた。
茨城県はクリの生産量が全国一位である。
800px-Chestnut.jpg

県央部の笠間市、特に合併前の岩間町と友部町はクリ密度が非常に濃い。
私は07年~09年まで3年間を友部に住んでいたが、
至る所にクリの畑があり、常磐線の特急に乗っていると、
岩間~友部はクリの木が多いことにいやでも気づく。
kurimitudo.png

私が働いていた会社も遊休地としてクリ畑を所有していた。
会社の所有地であるから、従業員に勝手にクリを採ってもいいよといってあったが、
地元の従業員はクリなぞに見向きもしない。
大体この季節、友部のビジネスホテルでは、袋に入れた栗をホールに積み上げて、
「お客様はご自由にお持ち帰りください」と書いているくらいである。
結局そこの畑でクリ拾いをするのは、親会社から出向でやってきた、
我々夫婦(横浜出身)ともうひと組の夫婦(横浜出身)くらいなものであった。

我々夫婦がクリ拾いをするのはフランスに住んでいた時以来である。

ブルターニュのレンヌ市の外周環状道路の外に出ると、
そこには自然の野山がふんだんにある。
レンヌのQuai(ケ:運河川岸)の通りの郵便局の前に ” information”(観光案内所)があり、
そこでレンヌ市周辺のハイキングコースや城めぐりサイクリングコースの案内図をくれる。

秋にハイキングコースを歩くと、クリが至る所に落ちている。
大体そういうハイキングコースを歩いているのはうちの家族だけで、
フランス人と出会ったことがない。
(一度だけ馬に乗っているカップルとであったことがある。くやしい。)
だから、フランス人がクリを拾っているのを見たことがない。
わらびと一緒で、日本人の我々にはこんなに落ちているのに「もったいない」
と車に引き返して、ビニール袋をとって来て拾いまくるのである。
すぐにビニール袋2杯分くらいは拾えてしまう。

フランス人が拾わないのは、拾っても調理の仕方を知らないからではないかと思う。

冬になればフランスでも街頭で焼き芋のように砂利で焼くやりかたで、
焼き栗を売っている。また、レンヌから南に下ったところにルドンという町があるが、
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ここではクリ祭りをやっており、その日は町中で焼き栗が食べられる。
961027ルドン栗祭り000101

また、マロングラッセという菓子は有名だが、
それ以外にクリを使ったお菓子は見たことがない。

因みに、フランス語では
クリはシャテーニュ Chataigne といい、クリの木はシャテニエ Chataignier という。
リンゴはポム Pomme なのでリンゴの木はポミエ Pommier という。
サクランボはスリーズ Cerise なので桜の木はスリズィエ Cerisier という。
簡単である。果物の名前の後に イエ ier をつけると木の名前になるのだ。
英語では木の名前をどういう風に言うのかいまだに知らないのは、何故だろう。
英語圏の田舎で生活したことがないから覚える必要がなかったのだ。

マロン Marron はクリではなく栃の実である。
従がって、木の名前はマロニエ Marronier である。
日本人はマロニエが栃の木であることを知らない人が多い。
昔はマロングラッセは栃の実で作ったが後にクリに置き換わったといわれている。
日本では栃木県や田舎に行くと土産物として栃餅を売っているが、
フランスでは今はトチノミは食べていないらしい。
パリで歩道に転がっているが誰も拾わない。

ブルターニュの会社のそばの農道の並木にクリの木が使われており、
やはりクリは道路に落ちっぱなしで誰も拾わない。
そのうちの3本の木に日本の丹波栗と同じように大きいクリがあるのを見つけた。
普通のフランスのクリは小ぶりなのである。
それ以来、秋のクリ拾いはそこですることに決めていた。

我が家のクリ料理は、ゆでて食卓の上にかごに入れてデーンと置いてあるのを、
勝手に食べる方式である。
これが一番手間がかからないからである。

時々は家内がせっせと包丁で皮向きをして栗ご飯にしてくれる。
こんな面倒なことをしてくれるのは、うちの家内くらいなものらしいので、
これには皆感謝している。

栗ご飯は我が家の男どもは大好きである

潮干狩り

.15 2010 フランスの自然 comment(2) trackback(0)
以前、ディナール・ゴルフの7番ショートホールの下の海岸で
小エビを採る話をしましたが、
ブルターニュは潮の干満の差が激しく最高13mもあるので、
海岸で遊ぶためには潮の満ち干の時間を
事前に調べてから出かけないと無駄足を踏むことになります。

昔はインターネットなどという便利なものはないので、
金曜日か土曜日の朝に新聞を買って、
週末の潮の満ち干の時間を調べたものでした。

今はネットでチェックしたところ、
ヨーロッパの海岸の町ごとに干満の時間が分かるサイトがありました。
目的の町をクリックするとその日の干満時間が出てきます。
http://maree.frbateaux.net/

また、モンサンミッシェルの年間の潮の満ち引きの
大きさが分かるサイトも見つけました。
「shoisissez le mois」で月を選ぶと、日ごとの満潮時間が出てきます。
http://www.ot-montsaintmichel.com/horaires_septembre10.htm
これによると2010年は3月2日と9月10日が
潮の係数(coefficient de maree) が116と一番高いことが分かりました。
これがいわゆる春の大潮・秋の大潮の日で、
モンサンミッシェルがすっぽり水につかる日です。
(注)係数は20~120まであります。

潮が満ちる時間を知らないと事故になることもあります。
会社の同僚で、モンサンミッシェルの近くの海岸で、
海に車を乗り入れた人がいました。
そこはムール貝やカキの養殖をしているところですから、
運搬車やトラクターが干潟の中に入っていますので、
彼も何気なく車を海の中に止めて遊んでいたそうです。
ところが気がつくとあっという間に潮が満ちてきて
車がはまって動けなくなったとのこと。
幸い通りかかったトラクターがいて、綱をつけて引っ張ってもらい
なんとか助かったとのことです。
エンジンが塩水をかぶったら、えらいことになっていたでしょう。

潮が満ちてくるスピードは意外に早いのです。
普通の時でも、小走りに走るくらいで、
モンサンミッシェルの大潮のときは
高波が押し寄せてくるようで怖いくらいです。

話が潮の干満のほうに大きく横にそれました。
ディナールでは小エビは採れるものの、貝が採れませんでした。
フランス人に聞いたところ、コートダルモール県の
サンブリューの更に北に行くと ビニック という小さい町があり、
ここの海岸ならいくらでもコックという貝が採れるということでした。
Binic Map

早速、潮の時間をチェックして週末にビニックに出かけました。
800px-Bretagne_Armor_Binic_tango7174.jpg
(出典:Wikipedeia)

海岸の道路のそばには、ペタンクのコートがたくさんあり、
老いも若きもプレーしておりました。
ペタンクのルールはカーリングと殆ど同じですが、
違うのは中心点を示すビュットという小さい的の玉が
動いてしまうと中心点が変わってしまうということです。
お金さえ賭けなければ健全なゲームだと思うのですが。

計算通り潮が引き始めたので、
バケツとくまでとスコップを持って海に入りました。
周囲を見ても潮干狩りをしようとしている人はわずかです。
採れるは、採れるは、いくらでも採れるのです。
あまりに簡単に採れるので大人はすぐ飽きてしまうのですが、
子供たちは興奮して競争しています。

それ以上とっても食べきれないので、
バケツ一杯を超える量は海に戻してきました。
白ワイン蒸しとみそ汁にしましたが、
食べきるまでは大変でした。

自然の薫り

.09 2010 フランスの自然 comment(0) trackback(0)
初夏の暑いある日、
会社にパリのお役人が来たことがあった。
いきさつは忘れたが、私が彼女達(お役人)を
ヴィトレ市(レンヌ市の東35km)の
日系電機メーカーの工場まで連れて行くことになった。

会社を出てパリ行きの高速道路に乗ったら、

プーンと例の匂いが漂ってきた。

私のプジョー405はその当時の常識として

エアコンが着いていないので、

外部の空気を取り込んで送風は十分きかせていたからである。

例の匂いと言っても日本の人は何のことかわからないだろうが、

フランスにいる人ならすぐわかる。

放牧地から漂ってくる牛や馬の糞の臭い

である。

私が「デゾレ」と言いながら、空気の取り入れ口を閉めたのだが、遅かった。

お役人「この臭いは、naturelle ナチュヘル(自然)だし、

internationalle アンテhナシオナルだから(国際的)、

日本でもあるでしょ?

私は「むむ・・・、ええ、そうですね」

本当は、日本には放牧地が少ないからこんな匂いはしません
と言いたかったのだが、放牧地という単語が出てこなかったので、
いつもの愛想のよい日本人になってしまった。

フランスの田舎にいるといやでもこの臭いに慣れなければならない。

「幼年期に牛や馬のような家畜と過ごした経験があると、
大人になって花粉症にならない」という記事を最近読んだ。

私と家内は田舎育ちで、田んぼを耕す牛の糞の匂いに慣れているせいか、
花粉症とは縁がないが、次男は春先に花粉症にかかる。
長男は日本にいるときはぜんそく気味で、よく咳き込んでいたが、
フランスに来たらぴたりと治ってしまった。
花粉症にもなっていない。
フランスは西岸海洋性で湿気が少なく、
日本の畳にいるダニがいないせいで、
ぜんそくが治ったのだと推測している。

今から20年前のブルターニュでは花粉症は話題に上った記憶がない。
フランスで花粉症はあるのだろうか、と思ってネットを調べてみると、
ここ15年ぐらいでフランスでも急増し、
今では5人に一人が花粉症になっているとのことである。
それにしては日本のように騒いでいないし、
マスクをかける習慣もないそうである。

花粉は pollen (ポレン)、花粉症はallergie au pollen
(アレhジー オ ポレン)というそうである。

ということは、例の学説には根拠がなく、
幼児期に馬や牛と過ごしても、
例の自然の薫りを嗅いでも、やはり花粉症にはなるようである。
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